１９９８年に埼玉医大で国内初の性別適合手術が行われた。しかしその後、性同一性障害への医療・法制備は期待されたほどには進まなかった。そんな中、鳥取市の「梨沙さん」は自らが性同一性障害であることを告白する。家族と別れ、新しいパートナーと巡り会った彼女だが、法制備の遅れから結婚もままならない。彼女は性同一性障害者の人権を訴える活動を始め、２００３年４月に鳥取市では公的書類から不必要な性別記載を削除するなど一定の成果をあげる。２００３年７月、海外の流れからは大きく遅れたものの、国会で障害を持つ人の戸籍の性別を変更できる特例法が成立。当事者の期待を集めた法律だが、「子供がいない事」などいくつかの条件があり問題も残った。彼女はこの条件の撤廃を求め、性的少数者の人権を訴える活動を続けている。

家族から頼られていた母親が突然倒れ、無酸素脳症が原因とみられる若年痴呆と診断される。家庭や家事を任せきりにしてきた夫、子どもたちの生活は一変し、完全介護の日々が始まった。困難を受け入れて強くなってゆく家族の絆を描く。実話をもとにした再現ドキュメンタリードラマ。脚本：宮川清光、出演：孫高宏、谷山佐和子、梁瀬満、島崎鮎美ほか。語りは塩見祐子アナウンサー。

秋田の美しい自然と人との共生をテーマにした、ＡＢＳ秋田放送開局５０周年記念特別番組。司会は菅原実、松井梨絵子、中継レポートは賀内隆弘、伊藤綾子。◆スタジオゲストの作家・高階航氏は野菜作りの楽しさや趣味のフライフィッシングを通して触れた自然のすばらしさを語る。中継では、県水産振興センターの杉山秀樹氏が県内に生息し絶滅危具種となっている魚を取り巻く環境や行政が行っている水辺整備事業について報告し、「秋田滝３００」の著者・佐藤俊正氏は秋田の自然に対する思いや自然に目を向け続けることの大切さを伝える。日本一のブナで知られる和賀山塊や、ブナを植えて山と海に元気を取り戻そうという活動、無耕起無農薬の米作りなども取り上げる。

日本人に最も人気のある文学者の一人、宮沢賢治は、今では外国人の日本文学研究者からも研究されている。法政大学の王敏教授が、賢治の文学に見られる中国文学の影響を読み解く。（２回シリーズ）◆第１回は、宮沢賢治の「北守将軍と三人兄弟の医者」を取り上げ、「唐詩選」との関わりを分析する。中国を訪れたことのない賢治は、どのように中国を舞台とする物語を描いたのだろうか。

人類の宿敵とまで忌み嫌われるゴキブリたちの兄弟と、彼らに毎日話しかけてくる中年女性。不思議な関係の真相とその劇的な展開によって、現代日本人の心の闇を描くファンタジー。脚本：篠原久美子、音楽：羽柴昂。出演：有馬自由、小野賢章、山口千晴ほか。

沖縄本島の南、人口数十人の小さな島。島にある只一つの小学校が危機に瀕している。生徒が全員島を離れてしまうのだ。島の小学校を守るため、東京から一人の少年が島にやってきた。小学校１年生の光君。親元を離れながら、ガラリと環境の違う島の中でたくましく育っていく姿をヒューマニティ豊かに描く。◆第１回：沖縄県八重山諸島唄美島は、過疎化が進み人口４０人の小さな島である。この春、只一つの小学校に入学する子どもは一人もいないため、廃校の危機にある。東京に住む光（ひかる）君は６歳、お父さんがこの島の出身で、現在も島で暮らしている伯父さんが、光君に島の子どもになって島の小学校に入学して小学校を助けてほしいと頼みに来た。◆原案：森口豁「子乞い　沖縄　孤島の歳月」。原作：尾瀬あきら、脚色：原田裕文。出演：上村祐翔、藤木勇人ほか。語り：中島陽典。（全１０回）

北海道でスポーツに情熱を注いでいる高校生アスリートにスポットを当て、電波を通して紹介、応援していく番組。パーソナリティーの内山佳子アナウンサーが、道内の高校の運動部を訪ねて練習を見学し、選手たちに話を聞く。◆この回は「春に向かってジャンプ」がテーマの３時間スペシャル。女子バスケットの阿部真弓さん、アイスホッケーの大澤卓也君、陸上の高平慎士君、ラグビーの鎌田勇史君、この春卒業を迎えた高校３年生の羽ばたき、ジャンプする姿を伝える。

２００３（平成１５）年３月、徳島県議会は大田正知事に不信任案を突きつけ、知事はわずか１１ヶ月でその座を追われた。かくして徳島では、最近１年８ヶ月間で３度目の知事選が行われることとなった。再度選挙に立つ大田氏に対し、意外な対抗馬が擁立される。市民グループと自民党の闘い、いわば県民不在の選挙戦を追う。