青森放送では毎年１２月２４日正午から２５日正午までの２４時間、音の出る信号機を寄贈する基金を募るために「ＲＡＢラジオチャリティミュージックソン」を生放送する。深夜枠は恒例の生ラジオドラマで、この年はコメディタッチのドラマをおくる。◆１２月２４日クリスマスイブの深夜、「青森ネット実業」という会社に就職を希望する男性二人と女性二人の計四人の若者が集められる。日中、就職試験の筆記と面接が終わった後のことである。社長は集まった若者を前に、今から最終試験を行うという。それは３０分の猶予のあと４人で協力しあって何かを行い、社長を感動させることができたら合格にする、という理不尽な話だった。反目と戸惑いの中で若者たちが編み出した方法とは…。脚本：畑澤聖悟。出演：夏目浩光、落合こず恵ほか。

前立腺がんと診断され、手術での摘出を医師から宣告された本郷美則氏。手術後は後遺症が残る可能性もあるという。元新聞社社会部記者でもある彼は「切りたくない！」という強い意志からインターネット、文献等を自力で調べ、日本ではまだ一般的ではなかった小線源療法（ブラキセラピー）にたどりつく。◆医療が進歩したとはいえ、個人にとってがんという病気はまだまだ恐ろしいものであり、すぐ隣に死を意識させる。現在快復し、目立った後遺症もなく「良く生きる道」を自ら切り開いた本郷氏は、果たしてどのように病や不安と闘い、がんと向き合ったのだろうか。前立腺がんの放射線治療の新潮流についても、専門医師等に取材した。

日本国内では関心が薄れつつあるエイズ（後天性免疫不全症候群）だが、実は水面下で感染が拡大し、爆発的に増加する恐れすらある。患者たちの悩みを交換するネットワークの存在、守られにくい個人情報の在り様、高校生を対象にしたセミナーの試みなどを丹念に取材し、確かな知識とともに深刻な現状をつたえる。

地村保さんは７６歳。国家的犯罪“拉致”で北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）に奪われた息子を取り戻そうと、人生の３分の１をかけて戦ってきた。２００２年９月にようやく息子の消息がわかったが、その半年前に妻のトシ子さんは他界していた。あまりに遅すぎる知らせであった。保さん家族が北朝鮮に奪われた２４年間、その苦難を振り返る。

１９７８年にホンダの創業者・本田宗一郎が大分県別府市にある社会福祉法人「太陽の家」を訪れ、障害者の自立に命を捧げた整形外科医・中村裕博士と出会った。本田氏は中村博士の熱い思いに感銘し、障害者が働く会社「ホンダ太陽」を作る。草創期は模索が続いたが、今は障害者が自立して働く「世界のモデル工場」を目指すまでになった。一方、中村博士の呼びかけで始まった「大分国際車いすマラソン」は、世界最高記録を生み出すなど、世界最大規模の車いすマラソン大会となった。◆番組では中村博士が手掛けた「ホンダ太陽」と「大分国際車いすマラソン」を取り上げ、その歴史と受け継がれてきた思いを紹介することにより、障害者が働くこと、スポーツすることの社会的な意義を考える。ＯＢＳ開局５０周年特別番組。

沖縄本島の南、人口数十人の小さな島。島にある只一つの小学校が危機に瀕している。生徒が全員島を離れてしまうのだ。島の小学校を守るため、東京から一人の少年が島にやってきた。小学校１年生の光君。親元を離れながら、ガラリと環境の違う島の中でたくましく育っていく姿をヒューマニティ豊かに描く。◆第８回：光君はユミちゃんに「１週間したら必ず帰ってくるから」と約束をして東京に戻った。５ヵ月ぶりの自分の部屋は元のままで何も変わっていない。マンガもいっぱいある。お母さんは光君の好きな食べ物を食べきれないほど作るなど大喜びである。そして光君を一時も離さない。光君が島に帰るとお母さんは病気になるという。光君はお兄ちゃんたちとプールに行くが、帽子をかぶれ潜水は禁止など、島では考えられないルールがあって戸惑ってしまう。島ではユミちゃんが光君の帰りを待っていた。◆原案：森口豁「子乞い　沖縄　孤島の歳月」。原作：尾瀬あきら、脚色：原田裕文。出演：上村祐翔、新納敏正ほか。語り：中島陽典。（全１０回）

梅野貴裕さんは１５才での自死未遂後から詩を書き始めて、１７才で初めての詩集「孤独の光・愛の影」を上梓した。生きることに絶望した青年の詩は、たくさんの若者の共感と支持を得ることとなった。博多弁で書いた３冊目の詩集「ともだち」から、詩人・梅野貴裕の世界に迫る。

秋田の美しい自然と人との共生をテーマにした、ＡＢＳ秋田放送開局５０周年記念特別番組。司会は菅原実、松井梨絵子、中継レポートは賀内隆弘、伊藤綾子。◆スタジオゲストの作家・高階航氏は野菜作りの楽しさや趣味のフライフィッシングを通して触れた自然のすばらしさを語る。中継では、県水産振興センターの杉山秀樹氏が県内に生息し絶滅危具種となっている魚を取り巻く環境や行政が行っている水辺整備事業について報告し、「秋田滝３００」の著者・佐藤俊正氏は秋田の自然に対する思いや自然に目を向け続けることの大切さを伝える。日本一のブナで知られる和賀山塊や、ブナを植えて山と海に元気を取り戻そうという活動、無耕起無農薬の米作りなども取り上げる。