清水義男は不動産会社を辞め、知的障害者更正施設の非常勤職員となった。自閉症障害がある真鍋の相手をすることになって手を焼く義男だが、真鍋の孤独な境遇を知ってからは少しずつお互いに親近感を抱くようになる。しかし家事をしない妻への苛立ちや職場での厳しい立場から、義男はだんだんと不満を募らせていく。作：小野田俊樹、音楽：榊原大。出演：利重剛、渡辺典子、小林高鹿、小宮和枝ほか。

前立腺がんと診断され、手術での摘出を医師から宣告された本郷美則氏。手術後は後遺症が残る可能性もあるという。元新聞社社会部記者でもある彼は「切りたくない！」という強い意志からインターネット、文献等を自力で調べ、日本ではまだ一般的ではなかった小線源療法（ブラキセラピー）にたどりつく。◆医療が進歩したとはいえ、個人にとってがんという病気はまだまだ恐ろしいものであり、すぐ隣に死を意識させる。現在快復し、目立った後遺症もなく「良く生きる道」を自ら切り開いた本郷氏は、果たしてどのように病や不安と闘い、がんと向き合ったのだろうか。前立腺がんの放射線治療の新潮流についても、専門医師等に取材した。

ラジオ放送の人気全盛期からテレビ放送が開始される１９５０年代を舞台に、移りゆく時代と時代にほんろうされた人々の切ない恋を描く。当時の流行音楽が満載のエンターテインメントドラマ。◆三木鶏郎音楽工房の一員・崇は、祐子とともにＣＭソング誕生に立ち会う。夢中で放送の仕事に打ち込むが、いつしかハッピーな時代は終わりを告げる。作：吉村ゆう、音楽：佐々永治。出演：大沢樹生、鈴木ほのか、黒田アーサーほか。語り：名古屋章。

３２歳のカナコは離婚をきっかけに海辺の小さな町で一人暮らしを始めた。図書館と海を往復する単調な日々をおくっていたカナコは、ある日亡くなった伯母トキエの古い日記を見つける。そしてトキエの知り合いだという青年ロウと出会う。東北放送開局５０周年記念ラジオドラマオリジナル脚本募集入選作品。作：堀田理恵子、音楽：榊原光裕。出演：中嶋朋子、松尾政寿、弥永和子ほか。

先天的に目が見えない上、人工透析を受けているという困難を背負いながらも、明るく共同作業所で働く青年が主人公。２４歳の彼が作った俳句や母親へのインタビューを紹介し、彼の心情の変化について思いを広げる。歌人で画家の小黒世茂さんが番組のナレーションをしながら、俳句を解説する。ラジオ大阪開局４５周年記念特別番組。

ある男女の出会いを描きながら、鹿児島の魅力を紹介していくドラマ。全３話（３日連続放送）の最終回。◆２８歳の会社員ユウジは関東出身で鹿児島は２年目。会社と自宅の往復という毎日で、仕事にやりがいを感じられなくなっていた。そんな時、居酒屋で後輩の言った「フルマラソンを完走すると世界が変わる」という一言に心揺され、ユウジは走り出す。そしてマラソンを通じて親しくなった女性ミサトから、たくさんの鹿児島の魅力を教えてもらう。やがてユウジは自分自身を見つめ直すようになる。脚本・出演：渡辺裕介。

富山出身のピアニスト・竹内祥子が、クラシック音楽の魅力を初心者にもわかりやすく紹介する番組（２００３年４月５日放送開始）。◆前半は、竹内さんがトランシルバニア・アンサンブルと富山刑務所で行った慰問演奏会の模様を中心に構成。クラシック音楽がはたして受刑者に受け入れられるか。不安の中でスタートした塀の中の演奏会だが、次第に盛り上がる会場の雰囲気が伝わってくる。後半は年末の放送ということで、一年を振り返り「ハンガリー舞曲第５番より／ブラームス作曲」「交響曲第９番／ベートーヴェン作曲」を紹介する。相手役は沼倉真里子アナウンサー。

ＮＢＣラジオ・長崎と佐賀のスタジオを結んで放送している平日午後の生ワイド番組。（２００１年４月放送開始）。◆この日のパーソナリティは長崎・竹内淳と石長由紀子、佐賀・大迫佐和子。テーマは「さるく長崎・長崎市の魅力発見」。“さるく”とは長崎弁でぶらぶら歩き回るという意味。徒歩の「さるくチーム」とラジオカーの「スキッピーチーム」が街に飛び出して、観光地・長崎の魅力や不思議を再発見する。