京都の被差別部落で７０歳前後の女性たちが地元に伝わる子守唄を掘り起こし、歌い広める活動を始めた。彼女たちの親の世代が内職をしながら口ずさんでいたこの唄は、フォークソング「竹田の子守唄」としてアレンジされ、１９７０年代に全国的なヒットとなった。しかし歌のルーツが世に知れたとたん、放送メディアから姿を消してしまう。「差別の歴史と体験を私たちが語り継がなければ」そんな思いから、女性たちは活動を開始した。◆差別のため、長い間、周囲から閉ざされたような暮らしをしてきた彼女たちにとって、ただ人前に立つことさえ勇気のいることだったが、活動を通じて少しずつ自信も芽生えていく。一方、若い世代に伝えることの難しさにも直面し、道程が平坦でないことを実感する。自分たちのつらい体験が繰り返されないようにどう語り継いでいけばいいのか、女性たちはその方法を模索しながら、今はひたむきに歌い続けている。

天神の屋台やビルなどの「モノ」と会話することで自分自身の生き方を見つけていく、ファンタジックローカル再発見ドラマ。◆主人公・リエは東京で働いていたが、実家に住む祖父の調子が悪いと聞き、福岡に帰った。リエの目に飛び込んできたのは、なんと実家の庭に置かれたボロボロの古い電車だった。聞けば、一ヶ月前に祖父が無理矢理買い取ってしまったとのこと。リエは、祖父がおかしくなったのではないかと疑う。そんなある日、昔から愛用していた自転車が、突然リエに話しかけてくる。リエは耳を疑うが、自転車はリエには幼い頃から不思議な能力があり、「モノ」と会話が出来るのだと言う。そしてそれは祖父から受け継いだ能力だということを教えられる。作：大塚ムネト（劇団ギンギラ太陽’ｓ）、出演：上田裕子、中村卓二、りゅう雅登、中野弘子ほか。

平日午後の生ワイド番組「あおもりＴＯＤＡＹ」木曜日のコーナー。民謡や尺八を趣味としている津軽弁の達人タレント・又兵衛さんと故・高橋竹山さんの一番弟子で津軽三味線奏者の西川洋子さん、青森放送アナウンサーの田中次郎の３人で「じょっぱり一座」を旗上げし、民謡の普及に務めようという企画。一座は県内の民謡歌手を訪ねたり、小学校や老人ホームなどを訪れ民謡交流を図っている。◆この日は田舎館村の光田寺保育所を２度目の訪問。田舎館村では地域の伝統や文化に親しんでもらおうと村内の保育所の年長組に津軽民謡を指導していて、子供たちは「津軽じょんがら節」をはじめ「津軽甚句」や「りんご節」を元気に唄ってくれる。じょっぱり一座と子供たちの楽しい民謡ライブの模様を伝える。スタジオＭＣは夏目浩光アナウンサー。

ラウンドスケープの木村真悟が音楽アーティストとしての思いを語る番組。この日は自分が音楽を志すきっかけとなった地、東京・新宿での収録。自分をもう一度見つめ直して自問自答する模様を描写する。

週末金曜日の夜、福島からの生放送でおくるトーク・コミュニケーション番組。パーソナリティーは本音トーク炸裂のＤＪ　Ｋｎｉｋｅ・ナイクこと内藤忠。（２００１年４月６日放送開始）。日常の出来事から仕事のエピソードや恋愛の悩み、更には際どい話題まで、リスナーから寄せられるメールやＦＡＸをもとにＤＪナイクが独自の切り口でメッセージを発信し続ける。

２００４（平成１６）年は愛媛県において台風被害が多発した年であった。特に９月２９日に県下を襲った台風２１号は新居浜市で死者４名を出し、更に通過後の大雨による土砂崩れ等で、愛媛県は未曾有の交通麻痺に見舞われた。◆南海放送ラジオでは事の重大さが判明するとともに、レギュラー夜ワイド番組を急遽、災害特別番組に差し替えて放送した。国土交通省や警察など関係各所に電話取材を行うが、どこも混乱していて正確な情報は掴んではおらず、十分な情報は得られない。そこで一般のリスナーから情報を収集。渋滞に数時間も巻き込まれ、情報不足で不安に陥っているドライバーには唯一の情報源となった。◆公開しているのは６時間の生放送の様子を再編集したもの。ドライバーからのメールや電話の内容は…？冠水状態の道を走りきって家に着いたドライバーの苦労話。？土砂崩れ撤去作業中の消防団員から土砂の様子と作業経過。？裏道を知らせてくれる地元の人…など。寄せられた情報は１００通を越えて尽きることがなかった。

被爆から５９年、核兵器の廃絶と平和を願う被爆地・長崎の平和活動は、これまで被爆者自らが担ってきたが、半世紀が経ち被爆者の平均年齢は７０歳を越え、かつてのような精力的な活動が出来なくなってきた。しかし、平和を願う長崎の思いは、被爆者の孫の世代の若者たちにしっかりと受け継がれている。◆長崎に住む小川さんは、祖母が被爆者のいわゆる被爆三世の高校２年生。今年の高校生平和大使に選ばれ、国連のヨーロッパ本部で長崎の声を世界にアピールする。大学生の草野さんは、高校時代の仲間たちと創った“２１世紀平和ネットワーク”を通じて、被爆地・長崎の声を多くの人達に伝える活動を続けている。様々な壁にぶつかりながらも、平和への願いを全国にそして世界へ届けようと行動する二人の若者の夏を追う。

レギュラー番組「朝の夜ふかし」のスペシャル企画。パーソナリティの歌手・熊木杏里と上顎癌を克服した小林真己さんとの出会いと交流を描く。◆発病の時のこと、手術・つらいリハビリ、家族に対する気持ち、芝居に賭ける夢などを、しっかり前向きに話す小林さん。会話を重ねていくうちに、勇気づける立場のはずの熊木が逆に励まされる。◆二人はお互い自作の曲を披露することになる。小林さんが歌ったのは「朝が来ない夜はない」。どん底の“夜”を経験した彼女だからこそリアルに歌えるテーマであった。同席した音楽プロデューサーの吉俣良氏もその歌声に驚きを隠せない。そして熊木が小林さんにプレゼントした曲は「夢のある喫茶店」。二人の心はさらに通じ合う。