尾崎豊１３回忌の２００４年、尾崎の歌に敬意を表するミュージシャンたちが参加したトリビュートアルバムがヒットチャートのトップに輝いた。アルバムをプロデュースしたのは、尾崎豊をデビュー当時から支え続けた須藤晃氏。１３回忌を終えた直後、須藤氏が心の奥深くに封印してきた尾崎豊への思いを語った。出会い、歌作り、尾崎豊ブームに沸く世間とは逆に苦悩を抱えてきた１２年間…。音楽プロデューサー須藤晃氏の独白という形で構成される音楽ドキュメンタリー。尾崎豊１３回忌追悼特別番組。

シャンソンを中心に主にヨーロッパの音楽を紹介する番組。日本人が歌うシャンソンやカンツォーネも取り上げる。パーソナリティーは黒崎昭二。（１９８５年６月１日放送開始）。◆この回は日本のシャンソン歌手・クミコとアコーディオン奏者・桑山哲也のニューアルバムを特集する。◆黒崎氏は日本シャンソン協会理事。１９９４年には日仏文化交流に貢献したとして、フランス政府よりフランス芸術文化勲章シュバリエを贈られた。

ザ・ビートルズが解散して３０年以上経った現在でも、彼らの関連書籍、ＣＤ、ＤＶＤは発売され続け、新しいファンを生んでその人気は衰えることがない。恩蔵茂さんは元ＦＭステーション編集長。１９６０年代をリアルタイムのビートルズと過ごした恩蔵さんが、自身の青春をビートルズの思い出とともに振り返る。◆番組ではビートルズに関わった人間たちのインタビューを交えて、ビートルズの魅力に迫る。ビートルズの日本デビュー当時の状況やエピソードも語られる。インタビュー出演は初代ビートルズ担当ディレクターの高島弘之さん、元ベンチャーズ担当ディレクターの佐藤恒夫さん、元ミュージックライフ編集長の星加ルミ子さん、６代目ビートルズ担当ディレクター藤村美智子さん。

天神の屋台やビルなどの「モノ」と会話することで自分自身の生き方を見つけていく、ファンタジックローカル再発見ドラマ。◆主人公・リエは東京で働いていたが、実家に住む祖父の調子が悪いと聞き、福岡に帰った。リエの目に飛び込んできたのは、なんと実家の庭に置かれたボロボロの古い電車だった。聞けば、一ヶ月前に祖父が無理矢理買い取ってしまったとのこと。リエは、祖父がおかしくなったのではないかと疑う。そんなある日、昔から愛用していた自転車が、突然リエに話しかけてくる。リエは耳を疑うが、自転車はリエには幼い頃から不思議な能力があり、「モノ」と会話が出来るのだと言う。そしてそれは祖父から受け継いだ能力だということを教えられる。作：大塚ムネト（劇団ギンギラ太陽’ｓ）、出演：上田裕子、中村卓二、りゅう雅登、中野弘子ほか。

日本民間放送連盟が２００３年に実施した「コトバノチカラ」キャンペーンで、日本郵政公社総裁賞を受賞した松田正一さんの作品（体験談）をもとにしたドラマ。◆北九州市のある道路を自転車で横断中の中村大輝（小５）は、大学生の田村信弘が運転する車にはねられ、重傷を負った。緊急手術が行われ、大輝は一命をとりとめたが後遺症の心配は残る。病院へ見舞いに訪れた田村は大輝に謝り続けるが、周りの人々は許さない。その時、田村の「ごめんなさい」の言葉に対して大輝は…。脚本：松石泉、音楽：沼口公憲。出演：芳野遼ほか。

８５歳の福田正臣医師は２年前、郷里の奄美大島に小さな診療所を開いた。鹿児島市で「シルバー１１０番」の相談医や個人病院での診察を担当している福田医師が、その合間を縫って奄美でこだわりの医療にあたっている。◆自分が理想とする診療を実践すべく開いた「渚診療所」。６０年にわたる医者生活で感じてきたのは「機械に頼りがちな診察」「患者との対話の時間の少なさ」といった医療の現状であった。１人１人の患者とじっくり向き合う福田医師の「語らいの医療」は患者の信頼を呼び、治療だけでなく元気に生きるための生活指導の役割も担っている。医者と患者の心の対話が生まれる渚診療所の日常と、そこに医療の原点を見出そうとする１人の医師の姿を追う。

２００４年６月、横浜市のホテルで大学の同窓会が開かれた。平均年齢８０歳、参加した１０３人の母校の名は「建国大学」。１９３８年旧満州国が首都・新京に創設し、１９４５年の終戦と同時に崩壊した“幻の大学”である。◆建国大学は、関東軍の指導的立場にあった石原莞爾が日・満・漢・蒙・朝の五族協和のスローガン実現を目指して構想したと言われる。しかし、学生たちには掲げられた理想とは遠い、民族間の葛藤があった。◆番組では、建国大学の学生たちの間で広まった宮沢賢治の「精神歌」にまつわる話を織り交ぜながら、学生たちの揺れていた心の軌跡を辿る。大学同窓生や研究者へのインタビューで満州の知られざる事実を伝えるとともに、現代日本の歴史認識のあり方にも問題を投げかける。語り：小川範子、ピアノ演奏：榊原光裕、合唱：東北大学混声合唱団。

ＦＭＫ開局１０周年を機にスタートしたレギュラー番組。球磨川流域地方の話題や人・歴史探訪、観光から催しの告知まで幅広く取り上げる。出演は前田一洋、石岡まゆみ。◆熊本はハンセン病と縁が深い地の一つ。ハンセン病文学は絶望の中から生まれたものだが、文学が果たした役割とは何だったのだろうか。球磨川の流れる人吉の地で『ハンセン病と文学展』が開催されるのを期に、「人間の尊厳」や「業」について考える。郷土史家の前田一洋さんが熊本近代文学館参事の馬場純二さんに話を聞く。