「平成の大合併」でも市町村合併をせず、一村で生きる道を選択した岡山県北の新庄村。この村の象徴である毛無山を舞台に行った、「森を知り・守り・活かす」森林エコツアーイベントを生放送する番組。森林レンジャーの協力を得て、パーソナリティ浜家輝雄がゲスト・みなみらんぼう氏、一般参加者４０人ととともに、山頂目指して歩を進めつつ中継していく。

「君の名は」は昭和２７年（１９５２）４月１０日から２年間にわたって毎週木曜日の夜に放送された連続ドラマ。当時の台本や楽譜を使って新たに制作した“復刻版”を聞きながら、縁の人々の話を聞く。（三夜連続）◆第二夜は第４７回の復刻版。佐渡の日本海に身を投じようとした真知子の前に春樹が現れ、二人で幸せになろうと誓い合う。しかし真知子は、おなかの中の勝則の子供のために夫のもとへ帰ることを決意し、春樹は北海道に渡っていくのであった。作：菊田一夫、音楽：古関裕爾、桜井健二、演出：伊藤豊英、技術：加村武、効果：久保光男。語り：岸惠子、出演：田中美里、萩原聖人、金内喜久夫、山本真紅、岩本多代、村治学、劇団ギルド。◆司会は山根基世、ゲストは劇作家の小幡欣治氏と作曲家の桜井健二氏。

太平洋戦争末期の１９４４年秋、日本各地で「畜犬の供出運動」が盛んに行われた。犬や猫の毛皮を、満州など寒冷地で前線を守る兵隊の防寒具にあてるというのが、運動の趣旨だ。さらに軍需省、厚生省からの通達によって供出の徹底が図られ、多くの人々は回覧や隣組の連絡に従って、飼っていた犬や猫を差し出した。あれから６０年。当時供出に応じた人々の中には、家族同様に世話をしていた犬や猫との別離の記憶が、今も癒えぬ傷となって苦しみ続けている人がいる。愛犬クロとの別れに貴重な卵を振る舞ったこと、真っ白な雪が犬と猫の血で染まった処分現場など、その記憶は昨日のことのように鮮明だ。戦時下の畜犬供出とは何だったのか、人々の心にどんな影を落としたのか、供出体験者の証言をたどり、その傷跡が現代に問いかけるものを考える。

文化庁の芸術祭で大賞を受賞した桂三枝氏の「創作落語１２５撰」の中のひとつ、「背なで老いてる唐獅子牡丹」をラジオドラマ化したもの。◆極道の世界も高齢化し、昔気質の任侠道を貫く高橋組にもその波が押し寄せていた。老いた組長の高橋は昔を懐かしむ日々を送っていたが、兄弟の盃を交わしたはずの八木組の若い衆が高橋組のシマを荒らしていることを知り、古い仁義の世界の意地を通すため、お礼参りの殴り込みをかけようとする。「まむしの銀二」と呼ばれた極道仲間を助っ人に頼むが、銀二も高齢で老人ホーム暮らし。物忘れが激しく、二人の殴りこみはとんだドタバタ劇となる。原作：桂三枝、脚色：徳田博丸。出演：桂三枝、坂田利夫、浅香あき恵ほか

父親の愛に恵まれず、自分こそは良い父親になろうとして、ついに果たせず年老いた男。亡き父が忘れられず、義父の愛を受け入れられなかった青年。義理の親子関係の中でお互いを求めながらも、近づけなかった二人の男の葛藤の３０年を追い、義父の隠された情を知った息子が、心を開き義父に歩み寄り、新たな『父子』が誕生するまでを、暖かく描く。作：井出真理、音楽：菱沼尚子。出演：大杉漣、横堀悦夫、長野里美ほか◆第６１回芸術祭参加番組（２００５年１０月１日放送）

日曜午後の“おばさんの・おばさんによる・おばさんのための”生ワイド番組。パーソナリティーは後藤貴子。（２００１年４月８日放送開始）。◆この日は「のりこの週刊おばさん白書」２００回の放送を記念して、盛岡市の中心部を流れる中津川沿いを歩きながらの公開生放送。盛岡生まれ、盛岡育ちの２人のおばあちゃんをゲストに迎えて、爽やかな５月の風景を描写しながら、盛岡中津川物語を紡ぎ出してゆく。◆穏やかで自然なおばあちゃんの盛岡弁、リスナーからのＦＡＸ、Ｅメールなどが折り重なり、なんとも心地よい時間が過ぎてゆく。途中ラジオを聞いていた２人のおじさんが飛び入りで参加する場面も。

１９５２年に始まった「ひるのいこい」の特別番組。ひるのいこいは、全国各地にいる三百数十人の農林水産通信員や聴取者から届く各地の産物の収穫の話題、季節の風物や旬の食べ物の話題を紹介している。◆今回の放送は、イベント「ふるさとの食、日本の食」と連動して、食の豊かさ、それを支える人々の努力を伝える。ＮＨＫ正面玄関特設スタジオに料理研究家の小林カツ代さんをゲストに迎え、農林水産通信員が紹介する各地の食材を活用した美味しい料理を披露する。※「もっと身近にもっと世界へ　ＮＨＫ８０」の枠内で放送。

張り詰めた空気に将棋の駒を指す音が響く。一人のアマチュア棋士の大勝負が始まった。瀬川晶司さん、３５歳。１０年前、年齢制限の壁に阻まれた将棋のプロへの夢。その夢に再び挑むチャンスが巡ってきたのだ。課された条件は、６番勝負で３勝すること。「プロの環境で自分がどこまで強くなれるか、自分の限界にもう一度挑戦してみたい。」夢をかけた瀬川さんの勝負の行方を追う。