戦後６０年。沖縄に住む元動員学徒が、自身の戦争体験を語る。１９２０年生まれ８４歳。学徒動員で陸軍特別操縦見習士官となり、Ｂ２９に体当たりするも生還。その後、鹿児島県知覧で同期の仲間を特攻とし見送るなど数奇な体験をする。彼へのインタビューとドラマを織りまぜ、平和希求の物語とする。作：毛利恒之、音楽：西村朗。出演：藤木勇人、久松夕子、最上莉奈、前原弘道ほか。◆第６０回芸術祭放送個人賞（保科義久チーフディレクター）

ラジオＮＩＫＫＥＩでは、２００４年１２月に国内放送局で初めてブログを導入。そのコンテンツの１つとして、編集後記的な「Ｆｒｏｍ　Ｗｅｂｍａｓｔｅｒ」を始めた。◆そこで取り上げた記事の１つが「教えてください、ラジオを聴かない理由」。レーティング低下、ラジオ販売台数減少、インターネットに売上も抜かされ、若者が聴いていない、何かと元気がないと言われるラジオ。ラジオについて、ネットユーザ・リスナーの皆さんから率直な意見を聞かせて欲しい、というもの。◆この記事に対して予想以上のリアクションがあり、活発な意見交換が出来た。その中で寄せられた「せっかくだから実際の放送でも展開したらどうか」という意見を契機に、特別番組の一部として実現したのがこの番組。◆「ラジオが聴かれていない」という議論をきっかけに、レーティングを始めとした昨今の事情を紹介。その後、同様の問題提起番組・ＳＢＣ信越放送「ラジオなんかいらない」ディレクター・笠原公彦氏に番組企画意図、番組前後での変化、今後の展望と抱負などを聞く。その他、ｉｐｐｅｉ氏とＴａｋ氏、ＡＭ、ＦＭの現役ラジオマンからの現状報告と提言、リスナーからのメール、電話などを紹介。◆それらを受けてスタジオにラジオ放送作家・河野虎太郎氏、ラジオディレクター・吉岡信洋氏、ラジオ雑誌の元編集長・薬師神亮氏らをゲストに迎え、ラジオはどうして聴かれなくなったのか、今後ラジオはどうあるべきかを考える。パーソナリティはｗｅｂｍａｓｔｅｒ・掛原雅行。

自然派思考人・河村通夫は開拓に入った北海道栗沢町の山に住みついて２０年以上経った。２００５年春、自宅の裏山で雪解けの水に洗われた沢伝いから、絵皿や茶碗のかけらがザクザクと出てきた。以前にこの地に開拓に入り、この地を去って行った農家のものか、この裏山に捨てて行ったものと思われる。◆絵皿のうちのひとつは「三平皿」と呼ばれるもので、もともとは「なます皿」と呼ばれる九州・伊万里の焼き物だった。この絵皿が北海道に渡ったのは、鉄道の敷設が完成する以前であり、日本海を渡る北前船によって運ばれたものらしい。北前船は江戸時代よりも明治期にピークを迎えていたのだ。◆この「なます皿」にはどんな食材が盛られたのか、なぜこの大きさなのか、そして本物の「なます」とはどんな味がしたのか。河村通夫はこれを実際に作り、食してみることにする。

大阪局ラジオドラマ脚本懸賞募集の入賞者と、関西在住の気鋭の劇作家・脚本家、１０名による、１話完結の短編ドラマの１０本シリーズ。今回の通しテーマは《水》。水をめぐる、人情噺、ファンタジー、シリアスドラマなど、バラエティーに富んだ１０の全く違う物語を、男女各１人の若手俳優が通しで演じていく。◆第４回「水槽の中で」は、仕事人間だった男が金魚になってしまう物語。彼は水槽の中から家族を見つめ直し、自分の生き方が正しかったのか自問する。作：天野夏樹。出演：大路恵美、内田健介ほか。◆第３２回放送文化基金賞参加番組

大阪局ラジオドラマ脚本懸賞募集の入賞者と、関西在住の気鋭の劇作家・脚本家、１０名による、１話完結の短編ドラマの１０本シリーズ。今回の通しテーマは《水》。水をめぐる、人情噺、ファンタジー、シリアスドラマなど、バラエティーに富んだ１０の全く違う物語を、男女各１人の若手俳優が通しで演じていく。◆第２回「水をくれ」は、記憶を無くした男の物語。雨宿りでバーに入った男は、水を注文するが「水だけは絶対だめ」と断られる。不思議なことにこの女は、彼のことを良く知っていた。作：山本雄史。出演：大路恵美、内田健介ほか。◆第３２回放送文化基金賞参加番組

「君の名は」は昭和２７年（１９５２）４月１０日から２年間にわたって毎週木曜日の夜に放送された連続ドラマ。当時の台本や楽譜を使って新たに制作した“復刻版”を聞きながら、縁の人々の話を聞く。（三夜連続）◆第二夜は第４７回の復刻版。佐渡の日本海に身を投じようとした真知子の前に春樹が現れ、二人で幸せになろうと誓い合う。しかし真知子は、おなかの中の勝則の子供のために夫のもとへ帰ることを決意し、春樹は北海道に渡っていくのであった。作：菊田一夫、音楽：古関裕爾、桜井健二、演出：伊藤豊英、技術：加村武、効果：久保光男。語り：岸惠子、出演：田中美里、萩原聖人、金内喜久夫、山本真紅、岩本多代、村治学、劇団ギルド。◆司会は山根基世、ゲストは劇作家の小幡欣治氏と作曲家の桜井健二氏。

ＯＢＳ年末年始特別番組として、第１部（午後１０時～１１時半）・第２部（午前１時～３時）を放送。「リスナーとの触れ合いを大切に」がコンセプト。電話をつないだり、ラジオカー・トピッカーでリスナー参加のクイズを実施、新年を迎える人々の生の声を紹介していく。トピッカーからは除夜の鐘や初詣のレポートも。また、世界各国に住む大分県人に国際電話をかけて大晦日の現地の様子を紹介する。パーソナリティは吉田諭司アナウンサー。

歌人の田中章義氏が、中国の北京、西安、上海で巡り会った人々、風景をレポートし短歌に綴る特別番組。進行ナレーションは講談師の神田京子。◆歌人・田中章義氏は『地球版「奥の細道」』の完成を目指し、旅を続けている。「２１世紀初頭の地球の様子を自らの短歌で綴りたい」との想いがある。「短歌は、千年前の人とも千年後の人とも、そして、人ばかりではなく太陽とも大地とも対話ができる便利な携帯電話のようなもの」と田中氏は形容し「この便利な携帯電話を使って、地球を詠みつづけて行きたい」と語る。◆経済成長著しい現代中国が、どんな想いを持ち、どんな表情で田中氏を受け入れるのか。「中国に暮らす人々」の様子や想いはもとより、「中国の大地」「中国の歴史」との対話を音声を通して表現することを番組は試みる。