明治２８年の秋。正岡子規、夏目漱石の二人は、子規の友人・武智庫太の案内で、伊予の国・吾川村の鎌倉神社に向かう。もともと吟行が目的のはずだったが、子規から突然、鎌倉神社にある「源範頼の墓の謎」について推理をしようと持ちかけられる漱石。◆梶原景時の讒言で窮地に陥った弟・義経をかばって、自分まで頼朝の不興を買ってしまった「兄弟想い」が範頼の悲劇を生んだとする子規の推理。◆曽我兄弟の仇討ちが頼朝を亡き者にするクーデターで、範頼はその黒幕と疑われて伊予の国に逃げて来たという漱石の推理。◆子規・漱石の二人は、やがて範頼の墓の前で「俳句」を、そして「文学」を語り合う。それはその後に小説家となる漱石の青春の貴重な一ページとなっていく。◆桝形浩人、らくさぶろうなど南海放送ラジオの人気パーソナリティが出演する歴史推理ドラマ。

１９０１年北海道オホーツク海沿岸である植物が発見された。その地がかつて「北見の国」と呼ばれていたことから、その植物は“キタミソウ”と名づけられた。キタミソウは白い可憐な花をつける。花の大きさはつまようじの先ほどしかない。◆発見から百年あまり経った今、北海道の自然の中にキタミソウの姿はなく、絶滅危惧種に指定されている。しかし、キタミソウは遙はるか南、九州・熊本市の江津湖で自生していた。そのことを知った北見在住の多田昇さんは、キタミソウを北見に里帰りさせることを思い立つ。名づけて「百年ロマン・きたみそう里帰り計画」。◆番組は多田さんの日記を基に再構成したドキュメンタリードラマ。熊本に住む男子高校生の視点で物語は展開する。脚本：池田美樹、音楽：上田圭子。出演：鳥崎哲平、斉藤加奈、野田秀之ほか。

「君の名は」は昭和２７年（１９５２）４月１０日から２年間にわたって毎週木曜日の夜に放送された連続ドラマ。当時の台本や楽譜を使って新たに制作した“復刻版”を聞きながら、縁の人々の話を聞く。（三夜連続）◆第二夜は第４７回の復刻版。佐渡の日本海に身を投じようとした真知子の前に春樹が現れ、二人で幸せになろうと誓い合う。しかし真知子は、おなかの中の勝則の子供のために夫のもとへ帰ることを決意し、春樹は北海道に渡っていくのであった。作：菊田一夫、音楽：古関裕爾、桜井健二、演出：伊藤豊英、技術：加村武、効果：久保光男。語り：岸惠子、出演：田中美里、萩原聖人、金内喜久夫、山本真紅、岩本多代、村治学、劇団ギルド。◆司会は山根基世、ゲストは劇作家の小幡欣治氏と作曲家の桜井健二氏。

デジタルラジオなど新技術でラジオはどう変わるのか、これまでのラジオの歴史を踏まえた上で、これからのラジオのあり方を考える。◆デジタルラジオの特徴は、高音質、多チャンネルで、データ放送など新たなサービスの可能性もある。放送と通信の融合については、イギリスＢＢＣの例を報告する。その一方で世界には、外の情報を得る手段はラジオだけ、という地域もある。災害時の災害情報、安心情報もラジオの重要な役割である。◆司会：山根基世、ゲスト：渡辺美里、石井彰（放送作家）、後藤亘（デジタルラジオ推進協会理事）。「もっと身近にもっと世界へ　ＮＨＫ８０」の枠内で放送

一日をスタートさせる朝に、必要な情報をタイムリーに伝えるニュースワイド番組。折に触れてニュース現場からの放送を行う。パーソナリティは蟹瀬誠一と小川真由美。（２００３年３月３１日～２００６年３月３１日放送）◆この日は伊豆諸島・三宅島からの中継を交えて生放送。蟹瀬が前日より三宅島に入り、島を駆け回りながら取材を行ってレポートする。噴火災害による４年半の全島避難を経て、帰島開始から２ヵ月余り。島民の声、三宅村長の訴え、火山学者のコメントなど、多角的に「復興の歩みを始めた」島の姿を伝える。現地からの放送中に、防災無線から火山ガス情報が流れる場面も。観光の島である「バードアイランド」三宅島の魅力も紹介する。

ＨＢＣラジオ平日朝の生ワイド番組。パーソナリティは、すずき一平と高橋直子。（２００４年４月放送開始）◆この日は番組冒頭で、メッセージテーマ「心のかたち～助け合える世の中、人に優しい社会」を紹介し、参加を呼びかける。そしてこのテーマのきっかけとなった放送の模様を聴いてもらい、その後、継続取材した内容を紹介する。すずき一平が参加した、心臓移植手術が必要な少年の支援コンサートのエピソードや、リスナーから寄せられたメッセージが紹介され、番組の決意が語られる。

土曜日の朝をハイテンションに駆け抜ける、音楽・情報・ワイド番組。パーソナリティは“藤俊”こと藤沢俊一郎。◆『サンライズメモリー』：○○年前の今の時期、あなたはどこで何をしていましたか？　リスナーの記憶を呼び覚ます当時の流行曲とともに、当時の出来事を振り返るコーナー。この回は１９９０年５月をプレイバック。ヘリコプター「スカイバード」が、当時大盛況だった花博会場跡の上空から中継する。◆『スカイバードインフォメーション』：須磨海岸沖と、準備が進む神戸まつり会場上空からのヘリ・レポート。報告は林美和。◆『どよさたハチキレシネマ』：おすすめの映画を紹介するコーナー。この回はスペシャルゲストとして、映画解説者の水野晴郎氏が登場。監督作品「シベリア超特急５」の見所や、故・淀川長治さんとの思い出、映画へのあふれる愛情について聞く。◆『９時ですクイズ』：雑学クイズに答えて豪華賞品をゲット！　秋山アナウンサーから毎回飛び出すヒントも注目のクイズコーナー。◆『ど～ゆ～リサーチ』：硬軟取り混ぜつつ、毎回１つのテーマを調査するコーナー。この回は「あなたの身の回りの小さな幸せは何？」がテーマ。日常の中での何気ない、でも思わずガッツポーズをしてしまう一瞬を募集する。◆『ＣＲＫスーパーカウントダウン』：ラジオ関西で１週間にかかった曲を元に作成されたオリジナルチャートを発表。◆『エンディング～ハチキレエアープレイ』：月毎に番組独自で選定したイチオシ曲を紹介する。

「地球ラジオ」は、ＮＨＫ東京のスタジオから、国内向けにはラジオ第一放送、海外にはＮＨＫワールド・ラジオを通じて、全世界に同時生放送している。今回は地球ラジオスペシャル「世界に夢をもとめて」と題して、世界各地で地域に根差してがんばっている日本人を紹介する。スタジオゲストは、少年時代には世界各地５カ国で暮らし、１９９９年エベレスト登頂成功、七大陸最高峰制覇を最年少で達成した、アルピニストの野口健さん。お便り紹介やゲストトークを交え、世界の各地と結びながら送る。◆司会：後藤繁栄、荒川香菊。「もっと身近にもっと世界へ　ＮＨＫ８０」の枠内で放送