広島で生まれた実在の兄弟を描くドキュメンタリードラマ。◆弟・片山?は１３歳で被爆する。一方、１３歳年上の兄・日出雄は元海軍大尉。戦時中にオーストラリア人捕虜を殺害したＢＣ級戦犯として、冤罪にもかかわらず死刑判決を受ける。日出雄は収容所で聖書の教えを支えに仲間の減刑運動に力を尽くす。そんな彼を助けようと仲間が日出雄の減刑を訴えるが、運動も空しく刑は執行された。日出雄は「愛する祖国の罪科のために死ぬ」と言葉を遺す。戦争の加害者として処刑された兄、原爆の被害者として戦後を生きた弟、対照的な兄弟の悲劇を描き、戦争の愚かさと平和の尊さを訴える。◆作：毛利恒之。出演：久米明、綱島郷太郎、左時枝、ほか

一人の日本生まれのアメリカ人の暮らしを通して、地球人としての生き方と、人と人のつながりの素晴らしさを描く。◆全国有数の豪雪地、長野県下水内郡栄村。この村で国際交流員として働くボブさんは、日本で生まれ、日本で育ったアメリカ人である。アメリカ人でありながら、日本育ちの彼には故郷と呼べる場所がない。自分は誰なのか、アメリカ人なのか、それとも日本人なのか。自分の居場所を探してボブさんが栄村にやってきたのは１０年前。村内の小中学校の英語教師を務めるかたわら、彼は村の有線放送を使った英語レッスンを始めた。

「くりでん」の愛称で呼ばれる「くりはら田園鉄道」は、宮城県北部の田園地帯を走るローカル鉄道。大正７年に発足し、終点の町にある鉱山の繁栄と共に多くの人に利用され愛され続けたが、２００７年３月末で８０余年の役目を終え、廃線となった。そんな廃線間近の「くりでん」を舞台にした物語。◆くりでんの運転士・沢木は、無人駅のホームに立つ一人の女性が気になっていた。列車には乗らずただホームに立っているのだ。行き付けの店のおばちゃん久恵は、おばけでも見たんじゃないの？と彼を冷やかす。最後の宿直勤務の日、沢木は無人駅の駅舎にある宿泊室で眠れない夜を過ごしていた。その時、ドアをノックする音が。恐る恐るドアを開けると、そこに立っていたのは彼女だった。「話だけでもきいてもらえませんか」と彼女は話し始める。病床に伏す父の話を聞くうちに、沢木は自分の父にその姿を重ね合わせていた。脚本：北阪昌人。出演：緒形直人、小関里恵、藤原貢、山内登寿子、菅野綾人。

宮崎県の山間部を走る村のバス、諸塚交通。５年前から宮崎交通に代わり村内４つの路線でバスの運行を始めた。乗客のほとんどは通学の小中学生や病院通いのお年寄り、いわゆる交通弱者と呼ばれる人たちだ。諸塚交通は６人の運転手でバスとタクシーを運行しているが、時には社長の黒木さん自身もハンドルを握る。村は深刻な過疎化が進み、バスの乗客も少なく、毎年自然災害に見舞われる。そんな状況下で、県や村からの補助を得て何とかバスの運行を続けているのが実情だ。経営は楽ではない。なかなな新車を買えず、中古のオンボロ車が急な山坂道を走る。しかし黒木さんたちはそんな逆境にもめげず、今日も村人のためにバスを走らせる。

岩国市在住のヴァレンシアさんは、米軍横田基地で生まれた。父は黒人アメリカ海兵隊員、母は日本人。しかし、彼女が生まれてすぐに両親は離婚し、母の実家のある広島市で育てられた。父に似た縮れ毛と大きな目。小さな頃は「お人形さんのよう」と言われたそのルックスにコンプレックスを持ち続けた。基地で出生届を出したから国籍はアメリカだが、英語は全く話せない。学生時代には「あなたは何人？」と言われ傷つき、自暴自棄になったこともあった。自分の居場所を求め続けてきた彼女は、４年前、岩国市の米軍基地近くにバーを開いた。店には若いアメリカ兵達が連日訪れる。その一方で、夢だったゴスペルシンガーとしての活動も始めた。彼女は今、自分のルーツと向き合おうとしている。

岡山市に住むフリーライターの野田さんは、アルツハイマーの母親の介護を続け、間もなく丸５年となる。要介護度は２から５に進んだ。懸命の介護を続けたが、母は言葉を失い、座椅子に座りきりの生活となった。彼は５年間に起こった母親との出来事を、地元の山陽新聞の文化家庭欄で週１回「アルツハイマーの母を支えて」を連載している。そこには密室で起きる母の異常行動、複雑な感情から起きる母への暴力などが赤裸々に綴られている。同じ介護者からの共感、一般の人々からの苦情など様々な反応がある中で、彼は母を見守り、ありのままの自分と母を書き続ける。介護地獄の現場で救いを求め、さまよった彼を支えたものを探る。

平日夜の本格的なラジオニュースショー。その日起きた関心の高いニュースを、記者のレポート、アンカーマンの解説、リスナーの意見を交えながらランキング形式で紹介する。（２００６年１０月放送開始）◆この日は、ちょうど２年前に起きたＪＲ福知山線脱線事故を総力取材。ラジオ大阪報道部記者の初田実が朝からの流れを丹念にリポートするとともに、フジサンケイビジネスアイ大阪代表の石野憲太郎が、経済記者の眼から見た事故、ＪＲの体質を解説する。２２時台の「ニュースの眼」でもさらにこのニュースを深める。ほかに音楽のコーナー「ＭｕｓｉｃＣａｆｅ」、越後屋こと植村徹也の阪神タイガース情報「今日の虎」。出演：土肥佳子、石野憲太郎、初田実、植村徹也

「社会に学ぶ“１４歳の挑戦”」は、１９９９年から始まった事業。県内全中学校の２年生が、地域の企業・団体などで１週間の体験学習を行うものである。地域の大人との触れ合いを通して心の教育を目指す試みとして、全国からも注目を集めている。ＦＭとやまで体験学習を行った３人の中学生の活動の様子や、指導ボランティア、教師、保護者へのインタビューを通して、地域ぐるみでの教育の重要性を考える。