源氏物語が書かれて１０００年を記念して、田辺聖子訳「新源氏物語」をＮＨＫ関西の各アナウンサーが朗読するシリーズ。今回は「賢木の宮の巻」全３回の第２回。◆永遠の恋人、藤壺の宮への思いを募らせる源氏。父であり、藤壺の宮を妻としていた桐壺院が亡くなった今、その気持ちは抑えようもなく強くなっていくのだった。しかし藤壺の宮はそんな彼の思いを受け止めることができず、ある大きな決意をする。朗読：藤井彩子。（朗読部分のみを収録）

日本酒の伝統を守りながら技術革新をすすめてきた杜氏は、岡山では「おやっつあん」と呼ばれる。岡山県北部勝山の老舗蔵元で、名人と謳われた原田巧が病いに倒れ、蔵を去った。彼は闘病生活の中で酒造りの技を書き残し、遺品のノートは彼の愛弟子の手に渡った。蔵の娘辻麻衣子３１才。原田の元で７年間寝食をともにした。若い蔵人が臨む初めての酒造シーズン、彼女たちは杜氏の技の集大成である大吟醸の仕込みに挑戦する。極寒の蔵の中で昼夜を問わぬ仕事が続くが、おやっつあんの心を受け継ぎ、困難に立ち向かった。蔵で酒造シーズンを終えた麻衣子は、原田の実家を訪ね、父親・夫としても真摯に生きた原田の姿を知る。

２００６年に沖縄県議会で「しまくとぅばの日」が制定されたのをきっかけに、毎年９月１８日前後に放送しているラジオドラマ。３年目の今回は、「おじぃとおばぁとそばとすば」「がじゅまるを探して」「いとしのうちなー芝居」の３本。弁当には沖縄そばがセットであるとか、中部の質屋には米軍関係者が売った物が多い、うちなー芝居が大好きな老夫婦など、沖縄の人なら誰もが共感できる、沖縄らしい風景と普段の話し言葉をベースに、日常の“ありんくりん（あれやこれや）”を“しまくとぅば（沖縄の方言）”を織り込みながら描く。「沖縄のおばぁ」として全国的に知られる平良トミ・平良進夫妻、藤木勇人をはじめ、沖縄で活躍する劇団の若手俳優、ＦＭ沖縄の番組パーソナリティーらが出演。脚本はキャンヒロユキ。

主に中高年をターゲットとする土曜朝の生ワイド番組。（２００７年４月放送開始）◆２００９年５月の裁判員制度開始まで１年。これまで３回に渡って、裁判制度の概要、裁判員が選ばれる手順、サラリーマンが出廷する際の企業の取り組み、法廷での審理の進行などについて考えてきた。今回は過去３回の放送や番組独自の街頭インタビューを通して生じたさまざまな疑問や意見を弁護士に聞き、レギュラーコメンテーターとの意見交換の中から、制度の抱える問題点も明らかにしていく。パーソナリティ：天野良春、アシスタント：成田香織、コメンテーター：飯尾歩、ゲスト：小川淳

鹿児島県鹿屋市の柳谷集落は、人口３００人、６５歳以上が４割と、１０年ほど前まではどこにでもあるような寂れゆく過疎高齢化の集落だった。しかし、一人のリーダーを中心に、集落の人々が立ち上がった。柳谷集落が目指したのは、行政に頼らない地域再生。集落総参加で労力や経験を提供し合い、独自の商品開発で自主財源を増やし、福祉や教育も自ら充実させていった。そして、全世帯にボーナスを配ることができるほどになり、柳谷集落の鹿児島弁の愛称「やねだん」は、次第に全国に知られるようになっていった。逆境をはね除け続ける「やねだん」の手づくりとアイデア、笑いと感動の１２年の記録。

作家、小川洋子が毎週１冊未来に残したい「文学遺産」を紹介する番組。作品や作家からイメージされる音楽も合わせて楽しむ。（２００７年７月放送開始）◆今回取り上げるのは、全米公共ラジオのある番組から生まれた一冊、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。１９９９年、作家ポール・オースターの呼びかけでリスナーから寄せられた４０００通以上の物語（実話）の中から、１７９編が収められている。小川さんは、この本によって自分もラジオで文学を語る決心をしたことや、収録されているある投稿から作家として奇跡的な体験をしたことなどを語る。

ラジオ番組のキャスターとリスナーの３ヵ月にわたるメールのやり取りを通して、命を見つめる。◆１２月２５日、桜井宏アナウンサーの番組に一人の父親からメールが届いた。高校受験を控えた一人息子が、ジャーミノーマという悪性の脳腫瘍になったという。同世代の一人息子を持つ桜井は心打たれる。その後も父親から闘病、治療の様子、その時々の家族の心境などが伝えられ、桜井はある時は何時間もパソコンに向かって返信し、放送でも伝えた。桜井はあえて父親と息子に会うことをしなかったが、番組とメールを通して深い繋がりが生まれていた。闘病しながらの高校受験、卒業、退院、そして念願の入学。息子は「自分はかわいそうな人ではない」と高校生活への夢を描き、すべてが順調のように思えるのだが、本当の人生の闘いはこれからである。

夕方のワイド番組「Ｂｅ－ＰＯＰ♪」の中の１コーナー。３０代を中心とするリスナーの周りにいる子どもたちに、ＤＪに挑戦してもらおうというもの。出演者は、番組と番組ｗｅｂサイトで募集。参加しやすいようにお父さんやお母さん、友達など、身近な人と一緒に出演してもらう。そして一人の子どもＤＪが、月曜から木曜の４日間にわたり、自己紹介、好きなこと、特技、夢、今学校で流行っていること、頑張っていること、ラジオを通じて伝えたいメッセージなどを話す。（２００７年１１月放送開始。２００８年５月２６日から２９日の４回分を公開。）