定年を迎えた夫と一日中向き合うようになった小百合。それまで気づかなかった彼の癖が我慢できず、“熟年離婚”さえ意識してしまう。そこで夫婦は今まで通り、夫が昼間外に出る生活を続ける。仙台に嫁いだ一人娘が出産を控え、ことあるごとに連絡してきたり、姑の外出は認知症から来る徘徊ではないかと疑ったりで、小百合の心はささくれがち。そんな彼女の心を晴らしてくれるのが、道に迷った姑を連れ帰ってくれた中学生の智香。“プチ昭和”が趣味という智香と小百合は意気投合し、年齢を超えた友情を育む。やがて娘の早産から、小百合が夫や姑を見る目が変化して行く。脚本：尾関功次。出演：藤田弓子、星野充昭、今枝とし子、ほか。

ジャズ・ミュージシャン、レーベルオーナー、ＤＪ、評論家と、いくつもの顔を持つベン・シドラン。「ドクタージャズ」と呼ばれ、ファンのみならず、演奏者からもリスペクトされる「ミュージシャンズミュージシャン」である。まずは「Ｔｏｏ　Ｈｏｔ　Ｔｏ　Ｔｏｕｃｈ」など彼のソロアルバムからの曲を交えて、人物像を紹介する。そして、２００８年３月に東京で行われたライブの際のインタビュー。さらに、ベンがプロデュースしたナルディス・レーベルのアルバムから、制作者としての彼の神髄を届ける。ＤＪ：若宮テイ子。

幅広い分野から講師を迎え、日本語をユニークな視点から捉える「私の日本語辞典」。３回シリーズで画家・絵本作家の安野光雅さんを迎える。安野さんは専門の美術に留まらず文学、科学、数学などにも造詣が深いことで知られ、豊かな知識と想像力を駆使して独創性溢れる作品を生み出している。第１回は津和野で過ごした幼少時の言語体験と恩師の思い出、言葉と絵の結びつき、絵本「ＡＢＣの本」を通じて感じた日本と欧米の文化の違いなどについて伺う。聞き手は秋山和平。

「宮城・仙台」と「文学」を柱に、居酒屋という設定で行う作家対談シリーズ。◆第１回は、仙台在住の作家佐伯一麦さんと、仙台を訪れた詩人であり作家である小池昌代さんが対談。お互いの作品の印象や、仙台の街の特徴、生と死、東北のことば、性など、多岐にわたるテーマで語り合う。対談の内容は地域誌「仙台学」にも掲載され、声と文字の両面から作家の魅力に迫っている。

長崎市にある光源寺は開山から３８０年の由緒あるお寺。ここでは子どもたちが通う日曜学校「ひかり子ども会」が、毎週１回、１時間ほど行われている。ここは学校や塾とは違う子どもたちのもう一つの居場所。毎回お経を唱え、住職のお話を聞き、その後は本堂で思い切り遊び、紙芝居を見て解散する。このプログラムは９０年以上続けられている。子どもたちによる悲しい事件が繰り返される昨今、大人は子どもとどう接し、何を伝えていくべきなのだろうか。住職と子どもたちの交流でつないできた光源寺日曜学校の心の豊かさから、その答えを見出す。

生ワイド番組『気ままプラン』のパーソナリティによる朗読会を伝える特別番組。第２回の今回は、「言葉は生きている」をテーマに日本語の美しさを表現した。３部構成のうち、第１部と第３部を放送する。◆第１部は手紙。「日本女性会議２００８」のプレ・イヤー記念として昨年募集された、家族や友人への想いを托すレターメッセージの中から、４編を朗読する。第３部は物語。上野紋が宮澤賢治の『やまなし』、廣川奈美子が小泉八雲の『和解』を朗読する。

「ＳＣＨＯＯＬ　ＯＦ　ＬＯＣＫ」は、未来の“鍵”を握るラジオの中の学校。パーソナリティの「やましげ校長」と「やしろ教頭」を中心に、若者の声に正面から向き合う平日夜の生ワイド番組。（２００５年１０月放送開始）◆毎年卒業シーズンに企画募集し、学校に乗り込んでサプライズで決行する卒業ライブプロジェクト「ＭＹ　ＧＥＮＥＲＡＴＩＯＮ」。３回目の今回は、ロックバンドの「くるり」が「僕らと一緒に演奏して、卒業生を送り出そう！」と呼びかけ、多数の応募から浜松海の星高校吹奏楽部が選ばれた。課題曲であるくるりの『ブレーメン』たった１曲のために、くるりは吹奏楽部と特訓合宿に臨み、日毎にアーティストと部員という垣根を越えていった。卒業生を送る会当日の大演奏会の模様、そしてくるりと部員の出会いと別れが交錯する「もう一つの卒業」を伝える。

大正から昭和、平成に至るまでの家族の歩んできた道を、作者の目線から温かく描く。◆詩人・齋藤恵美子の詩集『ラジオと背中』は、曽祖父の代から自分に至るまでの家族史を縦糸に、祖父母や両親の戦争体験を受容する自身の内面を横糸にした詩を多く所収している。家族の会話を基調とした口語体の詩を、複数の俳優によって私（作者）、父、母、祖父母、幼少時の「私」等、多声的に演じ（読み）分ける。そして、音響効果や音楽を織り込みながら、ドラマとして再構成していく。◆作：齋藤恵美子、出演：若村麻由美、山本學、鈴木瑞穂、ほか。