現代ラテンアメリカ文学を代表する作家カルロス・フェンテス（メキシコ）の小説を原作にしたラジオドラマ。シリーズ・ラテンアメリカの文学、第５回。◆青年フェリーぺは新聞の求人広告にひきつけられ、老婦人コンスエロを訪ねる。そして未完のままになっている夫の回想録の完成を依頼され、住み込みで仕事を始める。そこには老婦人の姪・アウラという若い娘も同居していた。原作：カルロス・フェンテス、訳と解説：木村榮一。脚色：原田裕文、音楽：菅野由弘。出演：今井朋彦、山本郁子ほか。

レギュラードラマ枠の「ＭＢＳドラマの風」シリーズ（２００１年４月６日放送開始）。藤本義一の戯曲「男女浮世回舞台（おとことおなごのいろごといろいろ）」をドラマ化。◆ホテルで腹上死した老人をめぐって、取り調べを受ける中年娼婦と担当する刑事が登場。真剣に答えようとしない娼婦とお人好しの刑事とのかみ合わないやりとりが進むうちに、亡くなった老人の日常が次第に明らかになってくる。老人問題の一端にもさりげなくふれる人情コメディー。原作：藤本義一、構成：南条好輝、音楽：あまのじゃく。出演：南条好輝、紅萬子。案内役は柏木宏之アナウンサー。

日本の車いすスポーツの先導役を果たしてきた「大分国際車いすマラソン大会」の第２１回大会を実況中継する。ＪＲＮ九州・沖縄７局ネットで放送。◆レースは大分県庁前をスタート、大分市営陸上競技場がゴールのコースで開かれた。沿道からの絶え間ない声援の中、男子フルマラソンは世界記録保持者のスイス選手が独走、女子は日本人選手が世界最高タイムを記録をする。

北海道にゆかりの人物、開拓や発展に尽くした人物を、ドキュメンタリータッチに朗読で紹介する番組。（２０００年１０月８日放送開始）◆この回は、富良野開墾の父として知られる中村千幹を取り上げる。初夏にはラベンダーが咲き誇る、北海道内有数の観光地・富良野市。明治時代、千幹はその富良野をまったくの原始林から開拓した。

病の後遺症で画筆を絶っていた日本画家と絵の好きな少女との交流を描くドラマ。◆脳こうそくで倒れて以来、絵を描くのをやめていた日本画家の川合國夫は、夏休みの自由研究で「私の植物図鑑」を作りたいという少女・麻里と出会う。麻里は交通事故に遭ってから、右足が不自由になっていた。國夫も後遺症で右半身が不自由である。やがて、國夫は麻里に絵の描き方を教えるようになっていく。第１４回銀の雫文芸賞最優秀作品。原作：高田慧、脚色：西村務、音楽：宮城孝佳。出演：滝田裕介、吉村実子、小川亜美ほか。

ＦＭ徳島開局１０周年記念ラジオドラマ。◆阿波踊りグループ「おわら連」の女子大生たちが、観光で訪れたグアムで偶然に阿波踊りのおはやし「ぞめき」を耳にする。日本へ帰った彼女たちは、その「ぞめき」と祖父との物語を知ることになる。祖父は戦争の悲劇を語り始める。脚本：草部文子、制作：サンディ。出演：市川博樹、市川展丈ほか。「ＳＵＮＤＡＹ反戦ドラマ２００１」全国のＦＭ３２局で放送。

２０００年１２月、福井県を走る京福電鉄越前本線で列車の衝突事故が起こった。運転手１人が死亡、乗客ほか２５人が重軽傷を負う大惨事。その原因は、ブレーキの動力を車輪に伝える金属製の棒が２つに折れてしまうという信じられないものであった。◆毎年数億円の赤字を出しながらも、沿線自治体の財政支援でどうにか営業を続けてきた京福電鉄。事故は経営難とは因果関係がないとする京福電鉄だが、この事故を境に廃線論議が加速していく。番組では、全国の赤字ローカル線が抱える悩みと課題を探りながら、その在り方を問う。

大阪府堺市の児童養護施設・東光学園には、２歳から１８歳までの子ども１３７人が生活している。親がいながら充分な愛情をうけられなかった子、愛情ある父親を突然失った子、ふたりの子どもにスポットを当てる。彼らは親のことで心にどのような影響を受けたのか、また周囲の大人や環境によって何が変わったのか。学園の子どもたちの表情を織り交ぜながら、ふたりの心の変遷を追う。