同志社大学のサークルから生まれ、今は全国で活動中の劇団・ヨーロッパ企画。そのメンバーである永野と本多がパーソナリティを務め、京都の街を駆け巡るリポーター「走らされる男」は土佐が担当する、金曜夜の四畳半トーク番組。今回は「役者になりたい」というリスナーからの相談に、先輩である永野・本多がアドバイス。また、劇団メンバーが企画を持ち込むコーナーでは、劇団員５人がそれぞれ考えた企画を実践する。母に電話して息子のためならどこまでできるか尋ねる「母の愛情選手権」、「音で感じる京都クイズ」、「ゴシップ京都」など。

ラジオが目の不自由な方々に役立とうと、Ｋｉｓｓ－ＦＭ　ＫＯＢＥが行っている盲導犬育成運動「ワン！！だふるキャラバン」の特別番組。兵庫盲導犬協会の協力で、盲導犬について学んでいく。多くの目の不自由な方が盲導犬を待っているが、育成は追いついていない。一頭の訓練に３００万円以上もかかるのだ。リスナーからの質問やメッセージを紹介しながら、盲導犬がどんな仕事をしているか、盲導犬との接し方、育成訓練の現状などを伝える。また、ゲストの歌手・高野健一が犬への愛情を歌った「さくら」をスタジオライブで歌う。

２００８年４月から毎週月曜から木曜に放送されている、午前の生ワイド番組。特に火曜日のレギュラーは栃木弁を巧みに操る方言作家として県北地方を中心に絶大な人気を誇る嶋均三氏が出演。番組全体に栃木弁があふれる郷土色豊かな地域密着型の放送を行っている。番組の柱は、嶋さんの友人たちをスタジオに招く「均三とゆかいな仲間たち」、嶋さんの人生を振り返った「均三のごじゃっぺ人生録」、そしてリスナーから投稿された栃木弁を織り込んだ川柳を紹介する「均三の方言川柳」で構成。パーソナリティ：中山湖。

全国のリスナーから寄せられる創作ポエムやエッセイを紹介する長寿番組「私の書いたポエム」の特別番組。パーソナリティは長岡一也と大橋照子。◆今回は、東京都内のホテルで行われた公開録音の模様を伝える。『言葉で感じるやさしさ』をテーマに募集した詩の優秀作の朗読を中心に、ゲストのアグネス・チャン、穂村弘らのトークの他、いすに座ってできる座禅の体験、川嶋あいのトークライブなど。

新潟大学では、集団作業と地域貢献を通して卒業後社会人として必要な能力の習得を目指した講義が行われている。２００８年はＦＭ　ＰＯＲＴの制作スタッフが講師を担当して、３ヵ月にわたってラジオ制作を学び、番組を作る授業が行われた。１８人の学生が３つに分かれ、それぞれが１５分の番組を制作する。「ラジオは災害の時の情報源」「車で聞くもの」というイメージだった彼らが、今、ラジオで伝えられることは何かを考え、企画、取材、原稿、選曲、演出まで担当する。学生の夢を紹介する「夢追い人」、夢や目標を持つことの大切さを伝える「Ｅｎｄｌｅｓｓ　Ｓｔｏｒｙ～輝き続ける女性～」、心に残った言葉を紹介する「ことばん」の３番組が完成した。

詩人アーサー・ビナードが来日して最初に読んだ小説が、太宰治の『人間失格』だった。そして今年、彼は津軽弁で翻訳された『走れメロス』と出会い、太宰の中にはもともと津軽語が存在していたという点に興味を持つ。それぞれ故郷を離れてペンを執ったアメリカの詩人と津軽の作家。しかし太宰は戦時中に故郷へ疎開した。そこで彼は何を感じたのだろうか。それを確かめようと、ビナードは津軽へ旅に出る。そこには生前の太宰と親交のあった人々が今も暮らしている。太宰に恋愛相談したというリンゴ農家の男性や、紀行文『津軽』に登場する岩木川へ案内した女性など、彼らの言葉から太宰の意外な一面が見えてくる。津軽の旅を終えたビナードは、『人間失格』の読み方が変わったと語る。平成２１年度文化庁芸術祭参加作品。

１９９９年１２月２６日未明、鳥取大学の女子学生が岡山県の倉敷チボリ公園にイルミネーションツリーを見に行った帰り道。鳥取県の国道５３号で対向の暴走車に衝突され、軽乗用車に乗っていた３人が亡くなった。相手の男は飲酒運転だった。理不尽な事故で当時２０歳だった娘を失った島根県斐川町の江角（えずみ）さん夫妻。事故直後深い悲しみに暮れる中、２人の心をとらえたのは童謡「しゃぼん玉」だった。この曲を作詞した野口雨情もまた、生後間もない娘を亡くしていた。その後江角さん夫妻は、飲酒運転の根絶や命の大切さを訴える講演を行なったり、「いのちのメッセージ展」と名付けたイベントを開きながら、犯罪被害者・遺族の心のケアにつとめる日々を送っている。江角さん夫妻の深い思いと活動を紹介する。

夏目は銀行の為替ディーラー、妻いずみはテレビ局の報道記者。高校で出会って以来の長い付き合いで、妻は何でも分かっているつもりだった。しかし、ある日突然夏目は失踪する。残された妻は足どりを追いかけ、夏目がネットカフェを転々としながら列車で新潟へと向かったことを知る。なぜ夏目は姿をくらましたのか。彼はネットカフェで繰り返し同じサイトにアクセスし、架空の少女「マルス」と会話していたのだった。◆悩み多い３０代前半世代を軸に、現代社会の闇を描く。作：原田裕文、出演：斉藤洋一郎、高橋かおり、吉見一豊、小坂優舞ほか