開局５０周年記念番組として、「私たちが未来につなげていきたいものは何か」をテーマとした、さだまさしのトークライブ。会場は、三種の神器の一つである草薙剣を伝える熱田神宮。相手役を務める源石和輝がパーソナリティを務めるワイド番組で事前に募集したリスナーからのメッセージや、東海ラジオの主なワイド番組のパーソナリティからのメッセージを基に進行する。また、さだまさしと縁の深いパーソナリティの蟹江篤子を迎えてトークを深めていく。屈託のない様々な話の中からクローズアップされたのは、「美しい日本のことば」。ラジオにはそれを伝えていく使命がある。

長野市生まれの杉本真維子さんは、２００７年度に詩の世界の芥川賞と称される「Ｈ氏賞」を受賞した。５０代でもまだ若手と呼ばれる詩壇において、３０代の若さでの受賞は、実に２０年以上ぶりの快挙であった。杉本さんはどのように言葉を選び、どのように推敲して、ひとつの詩を生み出しているのか、その過程を追う。詩の最初の言葉が自分の中に“降りてくる”時を、彼女は「詩の尻尾のようなものをつかむ瞬間」と表現する。つかんだ尻尾の先には何が見えるのだろうか。

パーソナリティである歌手の麻生しおりは、昨年から青森放送の裏庭でリンゴの苗木を育てている。実るまであと３年。麻生はまだ雪が残る津軽のリンゴ園に出向いた。リンゴ農家から剪定作業の指導を受けるためだ。枝を切り、形を整える作業は、高品質のリンゴを作るためには欠かせない。彼女を迎えてくれたのは、今年度、リンゴ立木品評会で農林水産大臣賞を受賞した内山さん。自他認める剪定の名人だ。初めてノコギリを手にした麻生に、枝切りの基本を伝授する。そこには子育てに共通する思いがあった。そして時間が経つに連れ、畑でラジオを聞いていた農家が次々と現場に集まり、麻生とのふれあいが始まる。

平日午後の生ワイド番組。今回は「ふるさと再発見～私のふるさと自慢」をテーマに、山形県内各地の魅力を伝える。置賜（おきたま）、庄内、村上の３つの地域からレポーターがそれぞれのふるさと自慢を伝えるほか、置賜弁ＶＳ庄内弁で方言対決する。「ふるさとに残る民話」は「鶴の恩返し」と「慈覚大師と磐司」。そして山形県民の８０％がその流域に暮らす最上川。上流からは、ローマ教皇から位を授けられたことを祝う「福者、記念ミサ」、中流からは最上川と芭蕉、下流からは北前船で賑わった港町酒田を検証する。出演：安藤勲、大津幸恵、松田春香、佐藤泰子、塚本順子。

ワイド番組「坂ちゃんのずくだせえぶりでい」に１本の電話が寄せられた。リスナーが紹介したのは、「ねんねんネコのけつにカニがはいりこんだ～、やっとこすっとこひっぱりだしたらまたはいりこんだよ～」という妙な子守唄。すると、多くのリスナーから「懐かしい」というメッセージが寄せられた。なぜこんな下品とも言える子守唄が生まれたのだろうか。そして、なぜ「ネコのけつ」と「カニ」なのだろうか。リスナーが見たという歌詞の版画絵が飾られている食堂を振り出しに、長野県内だけでなく、東京の日本子守唄協会も取材し、その歴史的背景を紐解いていく。

俳人の種田山頭火が愛媛県松山市の一草庵で亡くなったのは、昭和１５年（１９４０）１０月１１日未明。没後７０年を記念して制作された番組。一生をかけて理想とする俳句を追求した山頭火は、果たして俳句の革命児だったのか、それとも異端児だったのだろうか。高浜虚子の曾孫弟子である俳人の夏井いつき氏が、山頭火と時空を超えて架空の対談を行う。（山頭火に扮するのは桝形浩人）◆虚子から脈々と受け継がれてきた「有季定型」と、山頭火の自由律、考え方は真っ向から対立する。二人の俳人の季語に対する考え方、句作への執着、生き様などから、俳人とは、句作とは、生きるとは何かを考える。

昔ラジオを聴いていたという団塊の世代が定年を迎え、再びラジオに戻ってきている。そんなラジオを知っている世代の人たちが番組企画、出演し、同世代、ひいては若い人たちにもシルバー世代の元気さを伝え、活力を与え、ラジオの活性化につなげる。◆企画・進行は栃木県シルバー大学校の２８期卒業生を中心とした「放送委員」が担当し、番組担当者と打ち合わせの上、構成している。出演者は全て６０歳以上。出演者の思い出の曲をかける「青春のメロディ」やリクエスト、気になるニュースなどのコーナーがある。流行していた頃にラジオを聞いて耳で憶えたという曲は、出演者一同で大合唱となる。

名古屋の真ん中を流れる堀川は、まもなく４００歳を迎える。その川に時空を超える船を浮かべ、掘割から、河口だった七里の渡しまで、川沿いの風景から消えた音、生まれた音を、橋の界隈に残る言い伝えなどをもとにしたドラマの中で再現して行く。最初の物語は、名古屋城築城の際に、物資搬送のための水路「堀川」の開削を命じられた福島正則と、同じく石垣作りを命じられた加藤清正の物語。その他、堀川でハエ（銀ブナ）を獲る貧乏藩士、屋形船を浮かべて花見を楽しむ二人の塩商人、名古屋空襲で橋の下に逃げて亡くなった女学生など、さまざまな時代の人々を主人公にしたドラマを、チンドン屋、舟遊びの三味線などの音を織り込みながら描く。脚本：麻創けい子、語り：田中幸子、出演：石黒寛、ながたひとし、ほか。