鳥取県出身の山田薫は太平洋戦争開戦の１９４１年、日本海軍の最新鋭の潜水艦「イ１６号」の艦長を務め、僚艦４隻と共に秘密兵器の特殊潜航艇を携え、ハワイ真珠湾に出撃。湾内深く潜入し、敵艦を魚雷攻撃するという極秘作戦を実行した人物である。没後５０年以上を経て世に紹介された彼の遺品の中には、当時の状況を知る貴重な日記や報告書、写真なども含まれていた。真珠湾攻撃で明らかになった特殊潜航艇とは何だったのか。２年をかけて遺品を研究した山陰歴史館の学芸員、梅林智美さんの解説を軸に、山田薫が残した真珠湾攻撃の記録を検証し、彼が伝えたかった命の尊さについて問いかける。

北海道の自然や文化、歴史を取り上げ、北海道の自然が持つ魅力や不思議を、ゲストの話を交えて送る「ほっかいどう宝島」のスペシャル。◆これまでの放送で紹介した中から北海道の縄文文化と狩猟社会にスポットを当てる。古代の北海道では、本州とは違う独自の文化があったのではないか、と考えられる。農耕社会である弥生時代には移行せず、狩猟採取社会である縄文時代が続いたからだ。遺跡や出土品、関係者へのインタビューから、北海道の縄文社会の精神的豊かさや、交易の広がりが見えてくる。

ＮＨＫ－ＦＭ放送開始４０年を記念した特別番組。１９７８年から１９８７年にかけて放送された人気番組「サウンドストリート」から、厳選した放送回を萩原健太の解説で４週にわたり送る。３週目は「甲斐よしひろ」特集。第１３回は１９８４年１０月３１日（水）放送分を紹介する。◆この日の放送は、「音楽図鑑」リリース後の坂本に甲斐が楽曲の感想を伝えるほか、歌詞に対する感性を語り合う。

「長野を、オモテからウラから、大・応・援！」がテーマの、金曜朝の生ワイド番組。（２００８年１０月放送開始）◆県内のＤＪや著名人が選曲する「Ｍｏｒｎｉｎ’　Ｇｒｏｏｖｅ」、地元長野を愛し、長野暮らしを楽しむ人を紹介する「ＮＡＧＡＮＯ　ＨＥＡＴＢＥＡＴ～ナガノノヒトビト～」、ローカルで愉快な観光情報をリスナーから募る「Ｂ－ＭＡＰ　ＮＡＧＡＮＯ」などのコーナーで構成。今回のＢ－ＭＡＰ　ＮＡＧＡＮＯは「踏切の名前」というマニアックなテーマ。寄せられた情報をもとに、ナビゲータの小林新が「養鶏場踏切」を訪ねると、そこには養鶏場はないが、“まちの記憶”は残っていた。

幅広い世代に絶大なる支持を得ている、漫画家・高橋留美子氏の短編傑作漫画をドラマ化する。人情味あふれる男女の機微や、日常にある夫婦間の心情をコミカルかつあたたかく描く。漫画から始まる、感動の大人向きエンターテインメントドラマ。２００９年７月１９日～９月１３日放送、全８回のうちの第５話。◆２３回目の結婚記念日に食当たりで亡くなった妻の幽霊が茶の間に居座り続け、新たに芽生えはじめた夫の恋路を邪魔する。

栃木放送が地元のプロアイスホッケーチーム、日光アイスバックスの取材を本格的に始めて５年。この間、チームは常に大きな問題と闘い続けてきた。経営者の交代、初のホームダブルフランチャイズ制の採用、神戸進出、新運営会社設立。これらは全て、栃木県日光に誕生したアイスホッケーの長く貴重な歴史をつなぐためである。日光アイスバックスは、日本最古のプロアイスホッケーチーム、古河電工アイスホッケー部の歴史を継いで誕生したチーム。しかし、チーム発足１０周年の２００８年、再び日本を襲った不況により、名門ＳＥＩＢＵプリンスラビッツの廃部が発表された。１０年前に廃部ではなく存続の道を選び、今なお市民クラブチームの形を切り開こうと奮闘している日光アイスバックスの姿を描く。

被爆の記憶のない者さえも苦しめる原爆の悲惨さを、人間性豊かに描くドラマ。◆当時乳飲み子だった良一は、長崎原爆投下の日に何もかも吹き飛ばされた浦上で発見された。その後、養父母の手で育てられ、何不自由なく半世紀以上を生きてきた。しかし、彼の胸の中には、いつもひっかかるものがあった。「自分は誰なのか」という疑問。戸籍の父母の氏名欄は真っ白だ。サラリーマンとして仕事に打ち込んでいた間はさほど気にしていなかったが、定年を迎え、死への足音が聞こえ始めた時、その疑問は大きくなった。血縁のない自分が家を継いだこともわだかまっていた。知人の誘いで自身の被爆経験を書くことになった良一が原稿に向かうある夜、二階から不審な物音が聞こえてきた。幼い頃からの記憶を綴る良一に、やがてその物音は「オマエハ、ダレダ？」と問いつめる。◆作：青来有一、出演：小田豊、上田しのぶ、ほか。

２００９年３月、山形県上山市の山あいにある山元中学校が長い歴史に終止符を打った。戦後間もない６１年前ここに赴任したのが、無着成恭さんだった。「生活綴り方運動」でまとめた文集『山びこ学校』は大きな反響を呼び、山村の貧しい暮らしの中で現実を見詰め、いかに生きるかを自問し、貧しさと悲しさを乗り越えようとする子供たちと先生の姿は映画化もされた。その教育実践は戦後民主主義教育の金字塔と呼ばれながらも、無着さんはその後追われるように村を去り、東京で教育界に身を置いて格闘を続けたが、１９８７年に僧侶となる。一方、「山びこ学校」の級長だった佐藤さんは、その後の無着さんの生き方に反発を表しながらも、地元に留まって農業を通じて「山びこ」を超える実践を模索してきた。ゆとり教育見直しの中で、山びこ学校が残したものを見詰め直す。