悲願の公的救済を求めるカネミ油症被害者たちの闘いを追う。◆栃木県那須塩原市に住む認定患者の男性は、腹膜悪性中皮腫という末期がんを患っている。治る見込みがなく、抗がん剤治療をやめた。仕事をやめ、長女を高校に通わせることもできなかった。長崎県諫早市に住む認定患者の女性。油症は彼女の子供たちにも、歯や皮膚の異常で暗い影を落としている。医療費などの公的救済を一切受けていないカネミ油症の患者たち。彼らの救済活動に取り組むのが保田弁護士だ。政権交代を機に、今年の通常国会でカネミ油症被害者救済法案を成立させようと動き始めるが、国の壁は厚い。保田は議員立法に公的救済の光を見出そうと奔走するが、会期末が迫る。患者は公的救済をこの目で見届けたいと訴えるが、症状は少しずつ進行している。果たして４２年目の救済は今国会中になされるのか。

明治の日本を舞台に繰り広げる時代冒険ファンタジー。北海道ラジオの会「第６回北のシナリオ大賞」審査員特別賞受賞作。◆時は明治１５年。人間と吸血鬼の間に生まれた少年竜登（りゅうと）は、人ならぬものが見える第三の眼「陰陽眼（おんみょうがん）」を持つ。成熟した大人になる前に吸血鬼を見つけ出し、倒さなければ、自らも吸血鬼となってしまう。運命に迷い、闘いながら成長していく竜登。幽霊、猛獣、魑魅魍魎、新撰組も飛び出す、荒唐無稽な時代冒険幻想奇譚。脚本：哩歩子、音楽：ナナイロマン、出演：天野さおり、古崎瑛美、ほか。

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は中国放送の制作で、教師でありシンガーソングライターでもある保田隆さんがパーソナリティを務める「保田隆のハートビートラジオ」の特別編。パソコンや携帯電話が普及した現在の十代は、どんなことを考えているのだろうか。イマドキの十代の本音に迫る青春応援番組。◆登場するのは３人の十代男女。「友達って何だろう？」や「自分の将来をどう描く？」をテーマに、人間関係の悩みや将来の夢を語り合う。競争の場となった今の学校では仲間に本音を話せず、アルバイト先や学外サークルの仲間に信頼を寄せている様子が見えてくる。３人は悩みを持ちながらも、将来の夢の実現に向けて歩んでいる。保田さんは、夢は叶えるだけでなく、夢を持つことで毎日を充実させることができる、とエールを送る。

２０００年、“荒れる成人式”が社会問題として取り上げられていた頃、愛知県犬山市は翌年の市主催の成人式を取りやめる決断をした。その結果行われたのが、新成人自らが運営するパーティー形式の「新成人のつどい」だ。自分たちで会費を払って運営する中で、彼らは大人としての自覚を持ち始めた。当時この方法は、成功事例として全国に報道され、以後犬山市ではこの方式が定着した。あれから１０年、今年も同じようなパーティー形式での成人のつどいは行われている。しかし歳月の中で、以前とは違ってきていた。大人になることに成人式は必要なのだろうか。そして、必要だとしたらどんな形がふさわしいのだろうか。

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は中国放送の制作で、日本酒にまつわるあれこれを杜氏に聞く。◆日本酒の消費量低迷が続く一方、技術の進歩で今がいちばん美味しい日本酒が飲める時代とも言われる。日本酒の常識とされている間違いを正し、もっと気軽に楽しんでもらおうと提案しつつ、酒どころ広島、中国地方を再認識する。◆搾りたての新酒が美味い、日本酒は置いておくと酢になる、日本酒は無色透明、いい日本酒は冷蔵保存すべし、いい日本酒は冷酒で飲むべし、日本酒にはやっぱり和食、など巷に溢れる間違った日本酒常識を芝居仕立てで紹介。自ら酒造りに携わる“酒ゴジラ”こと竹鶴酒造の石川杜氏が、間違いの原因や歴史的背景を分かりやすく解説する。パーソナリティは道盛浩と斉藤裕子。

平日の午前から午後にかけて放送中の生ワイド番組。（２００９年４月放送開始）◆今日のテーマは「私の節約術」。ある銀行のアンケートで、男性が妻にしてほしくない節約術のひとつとして、１円でも安いものを探してスーパーをはしごすることが挙げられた。家計のやりくりのための努力なのになぜ？　節約術についての意見や、実践している節約術を募集すると、買い物の工夫や車の使い方など、様々なアイデアが寄せられた。そして、節約への取り組みが家計や環境保護にもつながっていることがわかっていく。

より低予算でより面白い番組を目指した音楽番組。原点に戻って音楽を大切にし、週替わりの選曲パーソナリティによる選曲で、必ずフルコーラスで聞かせる。スタジオ内のパーソナリティ同士の会話に徹することで、リスナーに聞き耳を立ててもらう。１週目は青春歌謡、２週目は演歌、３週目は全ジャンル、４週目はフォーク、５週目はクラシック。青春歌謡が最も大きな反響を得ている。（２００９年４月放送開始）◆３週目の今回、選曲を担当するのは、音楽講師でピアノカフェレストランのオーナー、細川千津代さん。今週のテーマ「恋」の曲集、聞き比べのコーナーは「マイ・フェイバリット・シングズ」、そしてゲストの歌手・藤岡友香さんのミニライブなどで構成する。

１９９８年１０月から続くクラシックの長寿番組。出演は舘田巌と松浦このみ。（２０１０年９月放送終了）◆今回は６００回を記念して、日本初の男性オペラ歌手として、戦前・戦中・戦後にわたって日本のオペラ界を牽引した藤原義江の歌唱を紹介する。数ある歌唱の中から、日本の心でもある童謡や叙情歌を取り上げる。古いレコード１枚に１億はあるというノイズ（雑音）が、ゲストの内藤孝敏氏の手によって除去され、藤原のテノールや演奏が収録当時の命を吹き返した。また、藤原のほか、山田耕筰や近衛秀麿ら関係者のエピソードを織り交ぜ、知られざる人間像にも迫る。曲目は「からたちの花」「捨てた葱」「古謡・桜」「鐘が鳴ります」「かやの木山」「ちんちん千鳥」「民謡・舟歌」「宵待草」「民謡・箱根八里」「鉾をおさめて」「出船の港」「波浮の港」。