幅広い分野から講師を迎え、日本語をユニークな視点から捉える「私の日本語辞典」。４回にわたり、平安文学が専門で百人一首を研究している同志社大学教授の吉海直人さんを迎える。第３回は引き続き、なぜ紫式部の歌は「めくりあひて…」なのか、藤原定家が百首に込めた思いについて。また、かるたとしての百人一首とその大衆化について伺う。聞き手は秋山和平。

個人の演奏会からコンサートまで、プロ・アマ、ジャンルも問わず届ける街角音楽会。（２０１０年放送開始）◆今回はＡｒｓＮｏｖａＱｕａｒｔｅｔ（アルス・ノバ・カルテット）のリサイタルを通して、普段クラシック音楽をあまり聞かない人にも、クラシックの楽しみ方を提案する。カルテットとは四重奏のこと。まずは使用されている楽器の種類を紹介し、楽器の音色を聞き比べる。そして演奏されるのは、「春が来た」、ハイドン作曲「ひばり」、ボロディン作曲「ノクターン」、ドビュッシー作曲「弦楽四重奏曲」第２楽章。曲の前に聞き所のフレーズ解説や、クラシック音楽豆知識があるので、楽しく聞くことができる。

２０１３年春、南アルプスの麓によつばのクローバーカフェがオープンした。オーナーの芹澤恵美さんは幼少時に脊髄を痛め、以来車椅子の生活をしている。歩いた記憶がないから、車椅子での生活が普通だという恵美さんは、家事から車の運転まで一人でこなす。そして２０年前には同じ車椅子生活者の男性と結婚。生まれ育った長野県から山梨県にやって来た。障害者の法定雇用率が引き上げられたものの、就職は容易ではない。恵美さんも結婚と同時に専業主婦となり、身体の不自由な夫と共に過ごしていた。しかし、何かを求めるように募集記事を頼りに扉をたたく。そこで新しい仲間と出会い、夢であるカフェをオープンすることになった。資金繰りやリフォームに奮闘するも、笑顔の恵美さんを通して、障害とは何か、普通とは何かを再考する。

山陰に住む様々な業種のキーパーソンをＢＳＳのスタジオに迎えての生放送。仕事のこだわりを聞いた昨年に続いて、今年のテーマは「失敗のススメ」。美容師、作業療法士、スーパー店長など５名をゲストに迎え、未来を担う学生や若い世代にも共感してもらえるよう、それぞれの青春時代から今までを振り返りながら、受験、将来の夢、さらに仕事での挫折など様々に語り合ってもらう。「失敗は糧」、「どれだけ本気の失敗をしたか」などと語るゲストたち。放送中に寄せられた受験生の悩み、社会人２年目の女性、独身時代に働いた経験のある主婦などからの様々なメッセージにも、助言やコメントをしていく。また、ゲストのＦａｃｅＢｏｏｋやＬＩＮＥなどＳＮＳも活用し、フォロワー（応援団）からのメッセージも紹介し、意見交換しながら、様々なコミュニティをつないでいく。

名古屋市南区星崎地域に、全国から見学者が絶えない「グループホームなも」がある。グループホームは、認知症のお年寄りが共同生活をする施設で、「なも」は、名古屋弁で「～です」という意味。地域に親しまれ、お年寄りの話を最後まで聞こうという意味で名づけられた。「なも」は地域の声がきっかけに、築７０年の古民家を改修してつくられた。ここに、アルツハイマー型認知症のおばあちゃん達８人が暮らす。そして、自分の家のように来客を出迎え、掃除、洗濯、炊事を自分達で行う。家事がリハビリなのだ。この生活で、会話も困難な介護度３から、相手に意思の通じる介護度１まで回復した人もいる。また、職員は認知症のお年寄りに寄り添い、お年寄りの視線に立った介護を行っている。「なも」は入所者の笑い声で溢れている。「なも」の取組みと、おばあちゃん達の日々の生活を取材し、アルツハイマー型認知症とはどんな病気か、また、認知症になった人にどう対応すれば良いかのヒントを探る。

松阪市中部台運動公園に蒸気機関車のＣ５８５１号機、通称「くろすけくん」が保存されている。このＳＬの再生に取り組むグループ、くーべるの活動を伝える。◆くろすけが保存されることになったのは、一人の小学生が松阪市長に出した手紙がきっかけだった。少年はその後松阪を離れたが、くろすけが現役当時とは全く異なる塗装をされているのを知り、元に戻す活動を始めた。東京在住の会社員、杉山さんだ。活動は広がり、グループ「くーべる」となった。車体を塗り直し、部品を探し、ないものは作る。メンバーの思い、機関車の整備作業の様子、圧縮空気で鳴らせるようになった汽笛の音などを紹介する。くーべるの活動の終着駅は、ＳＬを動かすことだ。

千年の都、京都の街には、神社仏閣や碑、さらには通りの名前一つをとっても歴史が詰まっている。ゲストの京都市歴史資料館の初代館長、森谷剋久さんの解説と、実際に街を歩くレポーターのレポートを通して、街の歴史やいわれ、その時代を生きた人々に思いを巡らせつつ、歩く醍醐味を伝える。また、通りを北から南に移動しながら、京都に伝わるわらべ歌「丸竹夷」を一節ずつ歌い、完成させる。◆京都市内で歌い継がれているわらべ歌「丸竹夷」は、碁盤の目といわれる京都の街を東西に走る通りを、丸太町通から南へ順に歌った歌で、通りの覚え歌として今も多くの京都の人に歌われている。他にも京都には京都にしかない文化やルールがたくさんある。番組タイトルの「上ル」（北へ行く）、「下ル」（南へ行く）もその一つ。「丸竹夷」を軸に、京都の通り、そして街の今と昔を上がったり下がったりしながら探っていく。

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は四国放送の制作。◆　「阿波弁でごめんなして」は四国放送ラジオで２０年以上前から続く人気コーナーで、毎回、誰も聞いたことのない阿波弁がリスナーから寄せられる。それが実は、絶滅寸前の言葉であることも多い。狭い地域の中だけに残っている言葉もあれば、徳島の方言でなく他県で通じることもある。そんな言葉の面白さを中四国８局ネットで取り上げた。◆前半のテーマは阿波弁。「つまえる」「いけるで？」など他県で通じない言葉も多い。事前に「正座する」の方言を募集すると、「おかっこまり」と「おちんこま」の二つのグループがあった。その言葉の起源を探る。後半は「中四国各地の比較」と題し、ヘビ、サル、カエル、メダカなどの生き物の名前、「アホ・バカ」の言い方について多くのお便りが寄せられた。偶然つないだ和歌山県からの「疲れたことをこわいと言う」という電話は、言葉のプロの仙波教授を「北海道や東北にしか残っていない思われた言い方が和歌山の一地域に残っていた」と驚かせた。