進行は東海ラジオ元アナウンサーで現在も演歌・歌謡曲番組のパーソナリティーを務める松原敬生と、アナウンサーの成田香織。お隣の岐阜県には「柳ヶ瀬ブルース」や「奥飛騨慕情」などのヒット曲があるのに、なぜかご当地ソングのヒットに恵まれない名古屋。実は石原裕次郎や北島三郎も名古屋を歌っているのに、彼らの大ヒット曲に比べると知名度は今ひとつだ。しかし今年は伊勢神宮の式年遷宮で、多くの観光客が名古屋を訪れるチャンス。どうすれば名古屋から大ヒット曲を出せるだろうか。過去の曲はなぜヒットしなかったのだろうか。有名作詞家、老舗レコード店、レコードメーカーの元プロデューサーに加え、名古屋から全国に展開している手羽先チェーン店の会長にも、ヒット曲が生まれない訳や、生まれる条件を聞く。後半では坂本冬美ら人気歌手の皆さんにインタビューし、図々しくも松原から名古屋の曲を歌っていただけないかと依頼する。果たしてどんな結論が出るのか。

１９８５年に発売された「ダンシング・ヒーロー」は、荻野目洋子が歌う洋楽カバーのヒット曲だ。東海地方では、毎年夏になると老若男女がこの曲で盆踊りを踊る習慣がある。この盆踊り誕生の謎、発売から３０年経った今も踊り続けられている秘密を探る。◆７月１５日の放送に送られてきたリスナーのお便りを元に、東海地方の広範囲で「ダンシング・ヒーロー盆踊り」が踊られているということがわかり、徹底的に調査することになった。寄せられたリスナーからの情報を元に、パーソナリティが実際に盆踊りに参加したり、この盆踊りを作った民謡の家元（故人）の息子に取材したりするなどして、その謎を解明していく。今回は、数千人規模でダンシング・ヒーロー盆踊りが日本一盛り上がるという、岐阜県美濃加茂市「おん祭」とその仕掛け人を紹介。また東京の一部でもなぜかダンシング・ヒーロー盆踊りが踊られているという事実も紹介しながら、誕生から３０年かけて思わぬ広がりをみせるローカル風物誌の実態を伝える。

ＮＨＫラジオセンターでは、２０１１年３月１１日に起きた東日本大震災で被災した人々の貴重な声を集めインターネット上で公開している。本シリーズでは、その音声アーカイブスの一部を様々な角度から紹介し、「あの日に何が起こり、人間はどう行動したのか？」「復興と防災に必要なことは何なのか？」を考えていく。ゲストは、双葉町の復興まちづくり計画案作成に携わり、放射線衛生学を専門とする獨協医科大学准教授の木村真三さん。◆双葉町の帰還困難区域、避難指示解除準備区域それぞれに自宅を構える双葉町民にインタビューするほか、町長にも話を聞いた。また、避難生活を続ける双葉町の住民が安心して暮らせるために必要なことを考えていく。

音楽評論家の片山杜秀が、古今東西のクラシックの名曲を独創的な視点で論じる音楽番組。（２０１３年１月放送開始）毎月第４週目はＮＨＫアーカイブスの歴史的音源から、片山がリスナーに届けたい作品を紹介する。◆今回は２０世紀の日本が誇るピアニスト・安川加壽子を特集する。１９２２年生まれの安川は、外交官の父の赴任により１歳の時にヨーロッパへ渡る。１０歳でパリ音楽院に入学し、ラザール・レヴィに師事。１９３９年第二次世界大戦による情勢の悪化により、日本に帰国し、国内での演奏活動を広げていく。戦後は東京藝術大学で教鞭をとり、日本のピアノ教育の中心を担い、多くの弟子を育成した。曲目は、ショパン作曲「舟歌　嬰ヘ長調　作品６０」、「バラード　第４番　ヘ短調　作品５２」、「エチュード　変イ長調　作品２５－１『牧童』」、「エチュード　ヘ短調　作品２５－２」、「エチュード　ヘ長調　作品２５－３」、フォーレ作曲「バイオリン・ソナタ　第１番　イ長調　作品１３」（バイオリン・江藤俊哉）。

脳卒中でリハビリ中の患者さんとその家族のための番組。（２０１３年４月放送開始）◆フリーアナウンサー沼尾ひろ子さんが体験した脳梗塞とその後遺症の失語症、そしてマイクの前に復帰するまでを描いた３回分の放送をまとめたもの。沼尾さんは２００６年、４２歳の時に脳梗塞を発症し、生死の境をさまよった。思い返せば予兆があった。一命は取り留めたが、意識を取り戻した時、軽度の失語症という後遺症が残ってしまった。絶望感と疎外感にさいなまれ、一時は生きていく希望も失ったという。沼尾さんが苦悩を克服し、家族と共に歩んだ復帰への道のりを紹介することで、今苦しんでいる患者とその家族と苦しみを共有し、どう前向きに生きていくかを共に考える。

毎年、秋田県五城目町で民謡の全国大会「秋田追分全国大会」が行われる。五城目町は秋田追分の創始者、鳥井森鈴（しんれい）氏の故郷だ。毎年県内外から、プロ・アマを問わず民謡の愛好家が集まり、自慢ののどを競う。２０１３年に行われた第２４回大会の模様を伝える。解説は森鈴氏の孫で秋田追分保持者の鳥井輝雄さん。まずは、秋田追分とはどんな唄かを説明。大会で唄われる「春の花見は」「別れて今さら」「花は良けれど」の３つの歌詞を紹介する。続いて、大会に出場者の「それぞれの秋田追分」。内弟子修行中の歌い手、子供民謡教室に通う姉妹、大会優勝者らのプロフィール、稽古の様子、インタビューなどを交えながら、大会での歌声を伝える。

土曜午前の生ワイド番組。８月最終日の今回は、夏休みに福島に行ってきた中高生が、ボランティア活動を報告する。◆「まかせんさい！」は、東日本大震災後の被災地、主に福島県の復興支援活動を行う高校生災害復興支援ボランティア派遣隊だ。メンバーには中学生もいる。この夏休みには、中高生２１人が参加し、お好み焼きを焼いたり、仮設住宅の清掃、花壇の整備などの活動を行ってきた。事前に研修も行った。１０代の彼ら、彼女たちは福島でどんな思いを共有したのか、広島に帰ってきて伝えたいことは何なのか。福島から帰ってきた二人と共に取材音声を聞きながら、４日間を振り返る。高校１年生の青木君は福島県相馬郡飯舘村出身。広島に避難して来ているが、ふるさとに残る祖母の元へボランティアに行くことになる。つらい経験を乗り越えて、その思いを語る。

平日午後の生ワイド番組。（２０１２年４月～２０１４年９月放送）◆福島で原発事故が起き、ヒロシマの被爆の体験が改めて意味を持つようになった中で、ヒロシマは祈りと誓いの日を迎えた。２０１３年は、原爆詩人の一人で「生ましめんかな」で知られる栗原貞子さんの、生誕１００年に当たる年だ。彼女が遺した言葉は、原爆の悲劇と人間のたくましさ、未来への希望を表現していて、今も迫ってくる力は色あせない。福島で再び放射性物質の被害に直面してしまった日本に、朗読で彼女の詩を響かせる。そして今、何に向かい合い、何を考えるべきなのか、炎天下で考える。前年に続いて平和記念公園から公開生放送。ゲストは詩人のアーサー・ビナードさんとシンガーソングライターの二階堂和美さん。