２回にわたり、脚本家の倉本聰さんに「震災後に思う」と題して話を聞くインタビュースペシャル。今回は子どもの頃のエピソードや、富良野塾でやろうとしたこと、自然に対する思いを聞く。◆倉本さんは俳人だった父を高校時代に亡くしたが、子ども時代に父から教わった野鳥や宮澤賢治は、精神的な遺産の生前贈与だったと語る。高校時代からラジオドラマを書き、ニッポン放送へ就職、その後フリーになった。富良野塾で役者とライターを育ててきたが、２０１０年に閉塾。現在は富良野自然塾で、実践的な環境教育を行っている。

西田敏行と竹下景子による二人芝居の文芸ドラマシリーズ。◆ＳＦ界の巨匠・小松左京。１９６２年のデビューから、「日本沈没」など数多くの作品を発表してきた。優れた短編も数多く発表しており、今回はその中から６作品をラジオドラマで送る。◆「宗国屋敷」：宗国は、大きな屋敷で誰にも邪魔されることなく、お手伝いのゆきとたま、下男の作造らと共に静かに暮らしている。茶人の先祖が記した覚書に枯山水の絵を見つけた宗国は、心ひそかに庭をこしらえる喜びに浸っていた。ある日、宗国は庭の鹿威しの音を弱めたのだが、そのことが彼を現実に引き戻してしまうことに。閑居の地にあった宗国の屋敷の秘密がついに明らかになる。

耳（みみ）をすませば、きこえてくるいろいろな音（おと）。おとおばけといっしょに、おもしろくて、ふしぎな、音のせかいをぼうけんします。◆いつもきこえるあたりまえは、ほんとうにあたりまえかな？　虫（むし）のように小（ちい）さくなった、おとおばけたちは、ふしぎなせかいにまよいこみました。

仙台出身で在住のシンガーソングライターＲａｋｅ（レイク）がパーソナリティを務める番組。毎週カバー曲をギター弾き語りで生演奏。リスナーからのメッセージを紹介したり、Ｒａｋｅ本人の楽曲もオンエアする。２０１２年９月４日、１０月９日、１２月４日、２０１３年４月９日、５月７日放送の５回分を公開。カバーされる曲は、バネッサ・カールトンの「Ａ　Ｔｈｏｕｓａｎｄ　Ｍｉｌｅｓ」、アース・ウィンド＆ファイアの「Ｓｅｐｔｅｍｂｅｒ」など。番組で一度取り上げたら、同じ人の曲はカバーしないのがポリシーだ。

シンガーソングライター、手仕事屋きち兵衛さんは松本生まれ。自然の中で過ごした幼少期の原風景が彼の故郷だ。いつもコンサートの１曲目に唱歌「故郷」を歌うが、震災後はこの曲を歌い継いでいく決意を新たにしたと言う。この曲を作詞したのは、長野県中野市出身の高野辰之だ。辰之の人柄と足跡、そして唱歌「故郷」の詩の世界を、関係者へのインタビューでたどっていく。幼い頃から勉強好きだった辰之は、師範学校を終えて教員になるが、すぐに上京して国文学を研究するようになり、その傍ら、「故郷」をはじめ「春の小川」「紅葉」などの作詞もした。辰之記念館を訪ねる人々は、それぞれに自分の故郷や、歌にまつわる思い出を語るという。きち兵衛さんは、「故郷」は愛の歌だと考える。関係者の証言からも、郷里の山川、親や友への思いを歌ったこの曲の普遍性が見えてくる。

子育てはきれいごとばかりではない。どの親子にも山や谷があり、どの親にも全身全霊をかけて子どもを叱った経験があるだろう。このコンテストでは、子ども達にお母さんに怒られた経験をユーモアを交えて似顔絵と作文に書いてもらうことで、親子のつながりや家族についてもう一度考え、語り合う機会にしようと企画され、１００通を超える応募があった。ＳＢＳラジオ６０周年記念番組の中の公開生放送で、作品を応募してくれた親子にも参加してもらいながら優秀作品を紹介していく。幼稚園・保育園児と小学生が描いた、お母さんが怒った時の似顔絵と、どんな時に怒られるのか、怒られた時の気持ち、どうやって仲直りするのかなどを書いた作文の数々。子ども達の目を通して現在の様々な親子の姿が見えてくる。ゲストは一男五女の父でもあるタケカワユキヒデさん。

方言詩人・タレントの伊奈かっぺいさんが、青森県内外の芸自慢を集めて八戸市で行ったバラエティショーから、ラジオドラマの部分を収録したもの。◆八戸市の夜の盛り場を一人の女性研究者が訪ねる。この女性の祖先は津軽出身で、津軽藩祖の為信を研究している。調べれば調べるほど為信に津軽の人間と別のものを感じざるを得ない。確かに為信は岩手県久慈という南部藩生まれなのだ。酒場で近くに評判のイタコがいると教えられ、成り行きで津軽為信のイタコ降ろしをしてもらうと、そこで降りてきたのは、津軽を誇る為信と、それを否定する南部出身の為信だった。二人はどちらが本当の為信かを証明するため、討論で郷土愛を競い合う。

大阪の電車のガード下で“あなた”と出会った６０歳過ぎのホームレスの男が、自分の人生を語りだす。それは母親の満州引き揚げ、集団就職、ベトナム戦争、大阪万博、阪神淡路大震災、そして故郷の五島列島で暮らす老母、結婚に至らなかったが幸せな時間を共にすごした女性のこと、さらには、自らの死についてだった。飄々とユーモラスな語り口で“あなた”に語り続ける男の話から、日本の戦後史が浮かび上がる。　◆「むかし、をとこありけり」で始まる夢幻能の様式を援用しながら、戦後日本史と並走してきた和食料理人だった男の現世への遺言、そして老母への惜別の情を、橋爪功の一人芝居で描く。作：オカモト國ヒコ、出演：橋爪功