音楽評論家の吉田秀和さんは、１９７１年から２０１２年に亡くなるまで４１年にわたり、ＮＨＫ－ＦＭの人気番組「名曲のたのしみ」で解説を務めた。この番組の核心とも言えるのが「モーツァルト・その音楽と生涯」で、足かけ１７年でほぼ全作品を年代順に取り上げた。このシリーズを再構成し、吉田さんの名解説と、選りすぐりの名曲のハーモニーを楽しむ。第１回は「三大交響曲きき比べ」と題し、交響曲３９番、４０番、４１番の様々な演奏を聴き比べる。

音楽評論家の片山杜秀が、古今東西のクラシックの名曲を独創的な視点で論じる音楽番組。（２０１３年１月放送開始）毎月第４週目はＮＨＫアーカイブスの歴史的音源から、片山がリスナーに届けたい作品を紹介する。◆今回は、前回に引き続き西洋クラシックの作曲家・三善晃を特集する。室内楽やコンツェルト、管絃楽曲といった演奏会用の作品から「フルート、チェロ、ピアノのための三重奏曲」、「ピアノ協奏曲」、「交響三章」を聴く。

農業に携わっている３人の“農業女子”が、自身の就農にいたるまでの体験を中心に語り合う。沼尾ひろ子さんは、アナウンス業務の傍ら、現在は栃木県で農業に従事している。丹羽なほ子さんは、モデル、トライアスロン選手から農業中心の生活に切り替えた。ＥＲＩさんはドイツ生まれの東京育ちだが、夫と共に阿蘇山麓で就農した。後半では千葉県御宿で就農した女性、山形県で女性だけの農場を設立した女性とも電話でつなぐ。実家が農家の人、農業と無縁で育った人、農業をはじめたきっかけも様々だ。自然が相手の仕事ゆえの苦労もあれば、都会にはない楽しみもある。就農してからのエピソード、合鴨農法やバイオマスエネルギー供給などの取組み、今後の展開なども語り合う。

旭川大学客員教授の磯田憲一氏がリーダーを務める「君の椅子プロジェクト」は、新しく市民となった子どもたち（新生児）に「生まれてきてくれてありがとう」の思いを込め、居場所の象徴として椅子を贈る取り組みだ。２００６年にスタートし、現在は東川町をはじめ、剣淵町、愛別町、東神楽町の４町に広がっている。名前やロゴ、一連番号が刻印された世界でひとつだけの椅子で、確かな技を持つ旭川家具の職人が、毎年新たなデザインで作っている。少子化高齢化、過疎化が進む中で、新たな命の誕生を地域の喜びとして分かち合える地域社会作りを目指すこの取り組みは、北海道に新しい幸せの価値を作っている。座るための家具である椅子に、このプロジェクトは「居場所」という新たな意味を加えた。「居場所」を作るということは「存在」を大切にすることである。磯田氏を中心にインタビューを行いながら、地域の取り組みにとどまらない「命の取り組み」を浮き彫りにしていく。

午年の２０１４年のスタートに、午年生まれの２人のアナウンサーが送る新春ワイド。今年５回目の午年（還暦）の滝沢忠孝と、新人田中愛（２回目の午年）の“お馬の親子”が、“笑顔”と“家族の絆”をテーマに展開する。リスナーからの情報や話題を紹介しつつ、岡山出身の有森裕子さんや長渕（志穂美）悦子さんに電話を繋ぎ、笑顔や家族にまつわる話を聞く。さらに、初日の出情報やイベント情報を紹介しながら、岡山県知事、岡山市長、倉敷市長（３人とも午年生まれ）や、山陽放送アナウンサーからの新年の笑顔宣言も交えての約８時間半。この日デビューの新幹線運転手も登場する。

東京生まれの安田未知子さんは、現在沖縄県うるま市の介護老人保健施設いずみ苑で苑長を務めている。８歳の時に両親の出身地である沖縄に渡り、その後沖縄県立第一高等女学校に入学すると牛島中将の伝令役として戦争に参加した。戦時中の教育に対する不信感から教師になることを躊躇していたが、沖縄市の女性英語教官第１号となって定年まで小中学校の教師を勤めあげた。教職の傍ら、生活の厳しい生徒たちを自宅に引き取り世話をしたり、２７歳から３０年間大病を発症するなど、激動の半生を送ってきた安田さん。これまでの人生を振り返りながら、夢などについて聞いたインタビューを２回シリーズで送る（第２回）。

富山県出身の女優で、近年は絵本の出版でも人気の室井滋が、児童文学作品や民話、童話を朗読し、「しげちゃん」ならではのトークを届ける。（２０１４年４月放送開始）◆今回の「カモシカとしょかん」は、富山県舟橋村の村立図書館で実際に起きた出来事を描いた物語。２００８年７月、ニホンカモシカが図書館に迷い込んで、大騒動。全国ニュースにもなって人気を集め、１年後にニホンカモシカのカーモくんを主人公にしたかわいい絵本が誕生した。カーモくんは涼しい図書館で本を読みたかったのかな？　室井滋のトークでも、黒部渓谷で出会ったカモシカの話題を紹介する。◆子どもたちのあとについていったカモシカのカーモくんは、としょかんにたどりつき、じどうドアがひらいたので、中に入って行きます。

この年２月に１０４歳で世を去った詩人、まど・みちおさんの追悼コンサートが、ふるさと周南市で開かれ、世代を越えた多くの人が楽しんだ。植物も動物も、全てのものが、自分が自分であることを喜んで存在している。そして、誰もがかけがえのない存在だと、まどさんの作品は語りかける。児童文学研究家の谷悦子さんは、まどさんの研究を３０年続けている。作品を受け取る子どもたちの目線を大切に、まどさんの詩を題材に、小学校でも研究授業を行った。まどさんの童謡や詩には、全てのものへの愛が謳われていると、谷さんは語る。まどさんは５歳の時、両親、兄妹と離れて、祖父母の許で暮らすことになった。寂しい時間を小さな草花と過ごしたその幼年期が、まどさんの感性を育んだ。まどさんの原点をふるさとに探り、作品の背景と込められた思いに迫る。