夕方のワイド番組「ＥＶＥＮＩＮＧ　ＴＲＩＰＰＥＲ」内のコーナー「ムジカレコード店」のスペシャル。間もなく２５０回を迎えるこのコーナーでは、アナログの世界を中心に、オーディオ、レコード、音楽アプリなど毎週様々なテーマを設けている。いちばんの聴き所は、唯一のアナログ放送であるラジオで、アナログレコードの音源を、レコードプレーヤーで放送する、ということ。レコードを知らない世代にはアナログレコードの魅力を、そしてレコード世代には懐かしさを届け、レコードの魅力、アナログの魅力を再確認する。◆架空の店「ムジカレコード店」を舞台に、客として遊びに来た久世良輔と小島愛が、店長と一緒にＣＤとレコードの聴き比べや、アナログレコードの魅力、デジタル・アナログ談義、そしてオーディオにまつわる話を展開していく。

山梨県には父子家庭、母子家庭、いわゆるひとり親家庭が約８８００世帯ある。その現状と、ひとり親家庭を支援する組織を設立した一人のシングルファーザーの取り組みを伝える。◆「ＮＰＯ法人山梨県ひとり親家庭自立支援センター　ひとり親ネット」代表の佐野さんは、父子家庭の父親として苦労する中で、母子家庭との公的支援制度差に疑問を感じ、制度差解消のために活動をしてきた。一方、日本のひとり親家庭の貧困率はＯＥＣＤ加盟国の中で最悪である。その背景には、就労機会に恵まれないひとり親の厳しい現状があった。佐野さんが設立したひとり親ネットは、企業とひとり親の橋渡しをし、ひとり親でも働きやすい新しい就労の形を提供しようとしている。また、ひとり親ネットは同じ境遇の仲間が集う拠り所でもあり、相談や交流の場として、ひとり親家庭を支援している。

宮崎県東臼杵郡諸塚村に伝わる伝統行事を訪ね、先人が伝えようとしたしたことに思いを馳せる。◆標高の高い山頂に５世帯が暮らす諸塚村七ツ山奥畑集落では、年の瀬になると住民それぞれがしめ縄をつくり、各所に祀られている５つの神々へお参りをする行事が１００年にわたり続けられている。「来年も良い年でありますように」。各世帯で個別に作られるしめ縄は個性があり、どこの誰が作ったのかわかると住民は話す。また、この時期にしめ縄が飾られていないと、気にして家を訪ねるなど、住民同士の安否確認の役目もあるという。かつてこの奥畑を開拓してきた先人たちは、助け合いながら、過酷な自然環境の中で暮らしていたことだろう。ここ奥畑を囲むように点在する神々に定期的にお参りすることを、村の行事として伝え残す。そのことで住民同士の絆を再確認されるようにと、先人たちは願ったのかもしれない。

幅広い分野から講師を迎え、日本語をユニークな視点から捉える「私の日本語辞典」。４回にわたり、平安文学が専門で百人一首を研究している同志社大学教授の吉海直人さんを迎える。第４回は、かるたの絵の見どころ、絵から読み解けること、明治期に定められた「標準かるた」、翻訳された百人一首などについて伺う。聞き手は秋山和平。

ごくごく普通であくまで平均的な４１歳のサラリーマン、安部礼司がトレンドの荒波に揉まれる姿とそれでも前向きに生きる姿を、今の３０～４０代が“ツボ”だと感じる１９８０年代を中心とした“今ツボな選曲”とともに描くラジオドラマ・コメディ。（２００６年４月放送開始）◆東日本大震災から２年となる３月１０日の放送は、岩手県遠野市民センターに１０００人のリスナーを招待した公開生放送。主人公の安部礼司、刈谷勇が昨年も復興支援に訪れた陸前高田市を再訪。およそ１７０ｋｍにわたる津波の到達ラインに１０ｍおきに桜を植樹する活動にリスナーを代表して参加し、全国から集まったボランティアとともに１７本の桜を植樹した様子を伝える。また、遠野市、岩手県のご当地キャラクターと共演するミニ生ドラマなどで、復興に向かって歩む岩手県の魅力を発信。全国のリスナーから寄せられた「震災から２年、今思うこと」も紹介する。

音楽評論家の片山杜秀が、古今東西のクラシックの名曲を独創的な視点で論じる音楽番組。（２０１３年１月放送開始）毎月第４週目はＮＨＫアーカイブスの歴史的音源から、片山がリスナーに届けたい作品を紹介する。◆今回は、オネゲル作曲の「オラトリオ“火刑台上のジャンヌ・ダルク”」日本初演のライブ録音を送る。この作品は、１９３８年スイスでの初演から、今もなお２０世紀のオラトリオの代表的な名作である。１９５９年日本初演の様子ほか、ジャンヌ・ダルク役を務めた草笛光子がゲストとして登場し、当時を振り返る。

蝶の羽ばたきが地球の裏側で嵐を起こすこともある、という理論「バタフライエフェクト」をテーマに、落語家の桂春蝶が旬の情報や様々な出来事、人物、音楽などからその根本にある力や生き方を分解して提案し、関西から元気の源を発信する。（２０１１年４月放送開始）◆オープニングの神戸ゆかりの落語の話題に続いて、まずは桂春蝶独自の分析とコメントで現代を切り取る「ニュースコーナー」。現在に影響を与えた人物や出来事を紹介する「Ｔｏｄａｙ’ｓ　Ｅｆｆｅｃｔ」では、姫路出身で来年大河ドラマの主人公、黒田官兵衛を取り上げる。続いて、最近涙腺がゆるくなってきた春蝶を泣かせる曲を募る「春蝶の泣き歌」、簡単でおいしく綺麗になる「ＢＥレシピ」。ゲストコーナー「ＢＥ　Ｃａｆｅ」では、デビュー３０周年を迎えた嘉門達夫氏が登場。桂春蝶のラジオ版コラム「週刊春蝶」では、地元神戸の歴史ある落語会「もとまち寄席恋雅亭」を紹介する。また「あなたの地元自慢」をテーマに、リスナーからのメッセージを紹介する。

兵庫県内の歴史や風俗を取り上げる「山崎整のおもしろひょうご楽」のスペシャルで、神戸を代表する神社のひとつ、“楠公さん”こと湊川神社を特集する。湊川神社に祀られている楠木正成は、神戸市民には特別な存在だ。戦前は唱歌「湊川」に歌われ、修身の教科書に親子愛が描かれ、日本人なら知らない者はいなかったが、戦後は一気に人気が凋落した。だが、近年再び徐々に評判が上向いてきた。忠臣の英雄としてでなく、史実に照らし合わせた上で、戦いを避ける能力に長けた戦略家、平和主義者という新しい見方が出てきたのだ。そんな楠公を祀る湊川神社でこの年、東日本大震災に配慮して１年遅れの鎮座１４０年・社殿の戦災復興６０年記念の武者行列が行われ、多くの見物人で賑わった。時代に翻弄されながらも、神戸市民に親しまれ続けてきた楠公さんの不思議に迫る。