「大人のラヂオ」は大人のライフスタイルに焦点を当てた週１回のレギュラー番組。今回はピアニストの上園賢一氏を迎え、紆余曲折の人生だったという彼の足跡を振り返る。◆上園氏のピアノ教室には様々な背景を持つ人が集う。中でも志ある者には住込みの修業をさせ、単独コンサートの開催を目指す。日本社会に馴染めないマレーシアのジャングル育ちの留学生、九州男児で元不良の男性、バイクで上園氏を轢いた暴走族の加害少年など、様々な人が学んだ。彼らはピアノを通して変化していった。そんな中、上園氏は難病のジストニアに罹患する。ピアノを弾こうとしても指が全く動かないのだ。彼は苦しい闘病を経て、独特の訓練と演奏方法で２０１０年に復帰コンサートを実現させた。上園氏はこの難病をどう捉え、どう対処してきたのか、また家族や弟子たちはどう感じたのか、彼のデビュー３０周年コンサートの模様と、本人、関係者へのインタビューで描く。

岐阜県加茂郡東白川村は人口２２８０人の山村。ここに１９９０年代前半、２つの“いくさ遺産”が作られた。戦争資料館「平和祈念館」と戦記「平和への礎」である。祈念館には召集令状、千人針、戦地で書かれた日記、２２８人の遺影など９００点余。「平和への礎」には３５０ページにわたって戦没者や帰還兵のつらい記憶や懐かしい思い出が綴られている。それから２０年余、戦争を知る人も少なくなった今、“村の言霊”を集める旅に出た。９０代、８０代の人々が語る体験は、兵隊、満州開拓団、戦争孤児など、多岐にわたった。村は過疎化が進み、いくさの記憶の伝承も危ぶまれている。古田真由美さんは読み聞かせボランティアを主宰している。きっかけは、平和祈念館に収められている「お母さん、お母さん」で始まる日記との出会いだった。中国大陸で戦死した今井龍一さん（享年２２歳）のものだ。龍一さんが生きた事実と、戦地で母を思った事実。これらの積み重ねの上に現在の私たちがあるのではないか。古田さんは村に残る戦争の記憶を語り継ぐ朗読会を続けている。

福岡県小郡市在住の坪井晴隆さん（８９歳）は、かつて海軍の芙蓉部隊で偵察機「彗星」の搭乗員だった。芙蓉部隊を指揮していたのは美濃部少佐で、彼は「特攻で死ぬな」という信念の持ち主だった。特攻の代わりに彼が用いた戦法は、夜戦を主体とした攻撃だった。そして芙蓉部隊が基地にしたのは、鹿児島県の岩川基地。飛行場らしいものではなく、普通の牧場だった。しかも、上空から見ても飛行機はすべて隠してあり、まったく基地に見えない基地だった。１８歳で入隊し、戦局が厳しさを増す中、愛機とともに戦った坪井さんの体験と、坪井さんの人生に大きな影響を与えた二人の人物との出会いを描く。◆平成２７年度芸術祭参加作品（初回放送２０１５年５月３０日）

高校生が放送を通して社会経験を積む場を提供し続けようと始まった「飛び出せ高校生諸君！」。その３０周年の節目に、世界を駆け回る池上彰氏を迎えて講演会と課外授業を行った。事前に中高生から寄せられた講演のテーマや質問で、最も多かったのが、日本の教育と世界の教育の今を知りたい、というものだった。東日本大震災から４年、震災の影響を受けた教育環境は十分に回復しておらず、安心して勉強に集中できる学習時間の減少、学力の低下などの問題が渦巻く中、子どもたちが教育に関心を寄せているのかもしれない。そして今、大学入試センター試験改革など、日本全体の教育環境も大きく変わろうとしている。世界の教育現場を訪ね歩いた池上さんは、日本の教育の現状をどう捉えているのか。彼の講演を聴いた中高生たちはどう受け止め、意見を発表したのか。講演前から取材した池上さんと、代表で登壇した中高生たちの心模様を描く。

中高生の憧れの仕事の一つ、声優。２０１２年に「まんが王国とっとり」を建国した鳥取県は、今回で４回となる声優コンテストを開催している。鳥取県は「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるさん、「名探偵コナン」の青山剛昌さんをはじめ、多くの漫画家のふるさとだ。「全日本声優コンテスト　声優魂　鳥取大会」は、国際声優育成協会が主催する「全日本声優コンテスト」の地方大会で、鳥取大会の優勝者は東京本大会に進出できる。将来、声優を目指す中高生にとって、まさに夢の実現への第一歩となるステージだ。この鳥取大会の様子を振り返りながら、声優の夢に向かって懸命に挑む学生たちの姿と、この夏の「まんが王国とっとり」の盛り上がりを伝える。

１０代の学生が学校以外で集える場所を目指す番組。（２０１３年４月放送開始）◆今回から新人パーソナリティの高橋茉奈が登場。部活を頑張る高校生を紹介する「静岡の未来☆みんなの部活」では、高橋も学生時代に打ち込んでいたチアリーディング部を取材する。１カ月かけて一つのコミックやアニメを取り上げ研究していく「サブカル研究部」では、リスナー人気も高く、高橋も好きなコミック「四月は君の嘘」をピックアップ。午後８時の時報直後は、リスナー自身の声でリクエスト曲を紹介してもらう「みんなの８リクオック」。今回は、放送中のサテライトスタジオ前に来てくれた学生２人が急遽スタジオ生出演する。また、何かに頑張っているリスナーと電話をつなぐ「頑張るみんな、集まれ！」では、春休みの宿題を頑張っている学生が出演。学生のリアルな声を伝える。

２０１８年の明治維新１５０年まであと３年。幕末に雄藩と呼ばれ、維新に深く関わった薩長土肥は、現在の鹿児島、山口、高知、佐賀の４県である。その４つの県から、エフエム鹿児島、エフエム山口、エフエム高知、エフエム佐賀、それぞれの人気女性パーソナリティが山口に集い、維新の志士たちの足跡を訪ねる。訪問するのは、坂本竜馬や中岡慎太郎が利用した長州藩の公館「英雲荘」（防府市）、西郷隆盛、木戸孝充らが密議を重ねた「枕流亭」（山口市）、佐賀藩から学び造らせた世界遺産の萩反射炉、吉田松陰が維新の原動力となった逸材を育てた世界遺産の松下村塾など。往時の熱と鼓動に思いを馳せつつ、文化や食も味わう、トラベルバラエティー。

平日お昼の生ワイド番組「たんぽぽ倶楽部」木曜日の１２時台に放送している「ととナビ」は、鹿児島の「おとと」（地魚）について楽しく勉強するコーナー。魚食普及に情熱を傾ける鹿児島大学水産学部の大富潤教授が、パーソナリティーの宮原恵津子とリスナーを、お魚の世界にナビゲートする。鹿児島県民の食卓に上るのは同じ魚になりがちだが、錦江湾には実に多様な魚介類が生息している。今月は普段のスタジオを飛び出し、実際の魚を見て、さわって、味わいながら放送する。取り上げられる魚は、スマ（「幻のカツオ」と呼ばれる脂ののった最近大人気の魚）、アラ（高級魚ハタの仲間で、刺身もあら煮も最高）、ウツボ（ギョッとする外見ながら鹿児島では昔から食べられていた魚）、ハマダイ（クリスマスにふさわしい、赤と白の色も形も美しい魚）、ナミクダヒゲエビ（漁をしているのは世界でも錦江湾の深海底だけ）。（１２月３日～１２月３１日放送の５回分。）