「ミュージックセラピスト」とは、まだ日本ではなじみの薄い「音楽療法士」のことである。音楽によって患者の心を治療する人たちだ。アメリカのホスピスで緩和ケアの音楽療法士として１０年間働き、１２００人の死を看取り、７２００人の患者と接してきた佐藤由美子さん。彼女と１０人の患者たちの出会いと別れを描いた著書「ラスト・ソング　人生の最期に聴く音楽」を原作に、佐藤さんが音楽療法士の道を志し患者を治療していく中で、逆に多くの事を教わり、音楽を通して人生を強く生き抜いていく姿を描く。

終戦から７０年の今年、福岡の一人の民間人によって、ミャンマー（ビルマ）に放置された日本兵４万５千柱の遺骨調査がようやく動き出した。日本政府は１９７６年以降、ミャンマーでの積極的な遺骨調査を行っていない。確実な情報がなければ調査をしないという方針と、長引く国軍と少数民族の内戦で遺骨が眠る地域に外国人が立ち入れなかったためだ。４０年近く閉ざされてきた遺骨収集への道を一人で切り開いたのが、福岡出身の僧侶、井本勝幸さんだ。２０１３年より数度にわたり、最も無謀と言われたインパール作戦の跡地をはじめミャンマー国内を調査し、崖下に放置された日本軍の戦車や、５メートル間隔で続く巨大な埋葬地群、日本軍のヘルメットと共に放置された複数の遺骨を確認。２０１５年３月までに少なくとも１８９０柱の遺骨の場所を特定した。なぜたった一人の民間人が調査をすることができたのか。そこにはミャンマーの少数民族から井本さんへの、ある「恩返し」があった。

平日午後の生ワイド番組。定期的にパーソナリティがスタジオを飛び出して、香川県内各地の話題を生放送で送る。（２００９年４月放送開始）◆この日の目玉は、文化放送『大竹まことゴールデンラジオ！』との同時放送。大竹さんの「地方局のワイド番組とコラボしたい」という一言から実現した企画だ。「ゴールデンラジオ」組と「気ままにラジオ」組で、どんなトークバトルが繰り広げられるか。一方、ラジオカーレポートは、財田町の道の駅「たからだの里」から。ニッポン放送をキーステーションに１２月に実施した２４時間ラジオ・チャリティーミュージックソンと連動して、目の不自由な方に音の出る信号機を贈るための「通りゃんせ募金」をラジオカー（募金カー）からも呼びかける。このほか、アメリカ通信はシニアの住宅事情、メッセージテーマは「腹が立ったこと」などで構成。パーソナリティは植松おさみと鴨居真理子。

「おとおばけのぼうけん」は、音で広がるイメージの世界を楽しむ、親子のためのオーディオドラマ。おとおばけが出会う、時になじみのある、時に聞いたことのない「音」と登場人物のセリフ。音楽でも朗読でもない、音そのものが繰り広げる世界を送る。◆２０１４年１２月～２０１５年１月に放送された内容から、物語「蜘蛛の糸」、インド楽器の「タブラ編」を放送。

終戦から７０年を迎え、戦後生まれが人口の８割を超えた。戦争を知る世代が急速に減りつつある中で、その記憶をどう次の世代に語り継いでいくのか。１９３０年生まれの澤地久枝さんは、１４歳の時に旧満州で終戦を迎え、「妻たちの二・二六事件」など戦争に翻弄される市井の人々を描いてきた。一方、１９７６年生まれの城戸久枝さんは、中国残留孤児だった父の半生を描いた「あの戦争から遠く離れて」（「遥かなる絆」としてドラマ化）を発表し、その後も戦争体験者への聞き取りを続けている。戦争の実相に迫り、記録してきた二人の女性ノンフィクション作家が世代を超えて語り合い、いま戦争を語り継ぐ意味を伝える。

「明るいナショナル」「キリンレモン」など、音楽は耳にしたことがあっても、名前は知られていない三木鶏郎。彼の功績を現代に伝え、自由闊達なスピリットを継承する。◆三木は日本初のＣＭソングを手がけたＣＭソングの草分け。遊び精神旺盛、ユニークな作風で、数々のヒット作を世に送り出した。以来、流行歌やホームソングのソングライター、放送作家、プロデューサー、さらには、日本語版ディズニー映画の音楽監督として、戦後日本のエンターテインメント界を牽引した。彼の音楽を読み解くのは、「浪花のモーツァルト」こと、関西を代表する作曲家のキダ・タローと、関東を代表する作詞家の伊藤アキラ。ＣＭ音楽の先達として常に三木を意識していたというキダが、作曲家の視点から鶏郎ミュージックの魅力を解き明かす。三木鶏郎の弟子だった作詞家の伊藤は、彼の素顔を解説する。そして二人が三木に捧げるＣＭソングを生演奏。三木鶏郎にゆかりの人物にもインタビューする。

女優の赤木春恵さんが、壮絶な戦争体験と女優生活を振り返る。（全２回）◆赤木さんは２年前、映画「ペコロスの母に会いに行く」に８９歳で主演し、「世界最高齢での映画初主演女優」としてギネス世界記録に認定された。今回は女優の仕事について聞く。赤木さんは家の束縛から自由になりたくて、１９４０年に１６歳で映画撮影所の女優になった。当時の女優は、内務省の登録試験があり、試験勉強に苦労した。男優たちは次々と戦地に向かい、撮影所でも軍事教練があった。当時の撮影所の様子、特攻隊の慰問、森光子さんとの友情などについて語る。（インタビュー部分のみを公開）

「聴けば時代が見えてくる」をコンセプトに、平日の朝、ニュースを素材に忙しいリスナーにわかりやすく伝える。（２０１４年３月放送開始）◆終戦から７０年となるこの週は、月～金ベルトのコーナー「スペシャル・インサイト」で「シリーズ戦後７０年に問う　～これまで、そして明日から～」と題して、各世代のスタッフが戦争をテーマにリポートした。今回は実藤リポーターが、６０代から８０代のシニア世代の声を伝える。またこの日は、鹿児島県の川内原発の再稼働問題の現地リポートや、日航機墜落事故から３０年など、大きなニュースも取り扱った。