２００５年のＮＨＫ紅白歌合戦で、北島三郎さんが吹雪と見まごうようなセットに姿をかき消されながら熱唱した。６０キロもの紙吹雪を降らせたと後々まで語り草になったこの演出は、山口千波さんが特殊効果を担当したもののひとつだ。山口さんが手掛けるのは特殊効果のうちの視覚効果で、ドライアイスや火薬などを用いたスモークや爆発シーン、雪や台風の再現など、ステージやドラマから情報番組まで担当してきた。山口さんは、まだ女性がほとんど進出していなかったこの分野で孤軍奮闘してきた。これまでの歩み、ＣＧでは出せない「職人技」による特殊効果ならではの迫力などについて聞く。◆山口千波さんは放送ウーマン賞２０１５を受賞。

「楽しくなる×タメになる→元気になる」の３つの「なる」がコンセプトの生ワイド番組。（２０１７年３月放送開始）◆毎年５月に開催される箱館五稜郭祭は、戊辰戦争の舞台となった五稜郭にまつわる歴史を後世に伝えることが目的で、この地で最期を迎えた新撰組副長、土方歳三を演じるコンテスト、当時の旧幕府軍と官軍に扮する維新行列・音楽パレード、五稜郭明渡を再現する開城セレモニーなどが行われている。箱館戦争には数多くの関連書籍が存在する。今回取り上げる「麦叢録（ばくそうろく）」は、旧幕府軍の榎本武揚の側近、小杉雅之進が書いた戦記で、敗者の側から描かれた数少ない例である。北海道在住のノンフィクション作家、合田一道氏に、箱館戦争がどんな戦争だったか、榎本らは何のために戦ったのかを解説してもらう。リスナーからも「函館市の思い出」を募る。（６０分の編集版を公開）

福岡市内の古い商店街の近くで暮らす高取家の６人が織りなす平凡な日々の出来事を描く連続ドラマ。１週間（月～金）５回でひとつの物語になっている。高取仁美は専業主婦で、夫と小学生の娘、３歳の息子、義父母と暮らす、３世代６人家族。高取家では何も特別なことは起きないが、お互いがお互いを思いやる小さなシアワセにあふれている。◆ドラマがスタートした４月４日からの第１週「高取の家の人々」、第２週「ねこ」、第３週「作文の宿題」の１５回を公開。

「土曜の朝を普段とは違う、落ち着いて過ごせる上質な時間に」がコンセプトの生ワイド番組。パーソナリティは安藤勲アナウンサー。（２００８年４月放送開始）。◆今週は「海外リポート」はミュンヘンから、生放送の２時間前に発生した銃撃事件について。「朝のガーデニング」は園芸相談のコーナー。山形の土地柄や長年の経験に基づいたアドバイスをもらう。音楽は毎週ひとつのテーマを選び、聞きごたえのあるナンバーで構成。今週は「ザ・ピーナッツ」妹の伊藤ユミさんの訃報を受け、追悼特集する。そのほか、「はいうぇい人街ネット山形」「ウィークエンド星占い」などのコーナーで構成する。

松本一路アンカーがゲストのスポーツ選手の名場面をインタビューする「スポーツ名場面の裏側で」。今回は特集企画で、この年の８月にブラジルで開幕するリオデジャネイロオリンピックにちなみ、数多くのオリンピック報道に携わった元ＮＨＫアナウンサーの二人を迎えて、知られざる放送の裏側などについてたっぷり語り合う。ゲストはスポーツジャーナリスト、スポーツアナウンサーの島村俊治さんと、法政大学スポーツ健康学部教授の山本浩さん。「最高の舞台を最悪の条件で伝えている」と言うオリンピック放送。前半は４年に一度の舞台で死力を尽くす選手たちを伝える実況アナウンサーの思いや、「敗者をいかに伝えるかを学んだ」というロサンゼルス五輪の女子マラソンなど印象深い名場面、後半は失敗談や、オリンピックならではの苦労などを語り合う。

絵本作家・かこさとしさんの２回シリーズのインタビュー。「だるまちゃんとてんぐちゃん」など、長く読み継がれている絵本を６００冊以上も発表してきたかこさん。２０１６年３月に卒寿を迎え、いくつかの持病を抱えているが、なお新作の執筆に取り組んでいる。４７歳まで化学工業会社の研究者だったかこさんが絵本作家に転じたのには、日本の敗戦が強く影響しているという。節目となった数冊の絵本を軸に、いま改めて子どもたちに伝えたいメッセージとは。◆１回目は、２０１４年に全国の図書館に寄贈した「矢村のヤ助」の誕生秘話や、戦争経験から出発し、「子どもたちの未来のために」絵本を書き続けるかこさんの根底にある思いについて聞く。

武田鉄矢さんが、宮沢賢治の「風の又三郎」を数度読むうちに発見したという、現代の少年達が抱える陰の部分、少年から思春期への歩みを、ミステリアスに読み解いていく。◆「風の又三郎」を朗読でなぞりながら進行する。武田さんはまず、「どっどどどどうど…」と、未熟なモノを吹き飛ばそうと歌う物語の始まりに、作品の底流に流れる何かがあるのではないかと問いかける。新学期の初日、「風がどうと吹いて来て教室のガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱や栗の木はみんな変に青じろくなってゆれ風が吹きます。」とあるように、「風の又三郎」と綽名された高田三郎が何かするたびに、風が吹き始める。この「風」を武田さんは、ある暗喩と見立てる。異質な転校生、三郎への子供達の対応には、イジメに似た構図を見る。風は物語の中で繰り返し現れる。

東日本大震災から５年に際して、被災地に思いを寄せる人々へのインタビューを特集する。４日目の今回は、震災２週間後からこれまで５００回以上のコンサートを開き、音楽の力で被災者と向き合ってきた「音楽の力による復興センター・東北」代表理事の大澤隆夫さん（※役職は放送当時のもの）。◆東日本大震災発生時、大澤さんは仙台フィルハーモニー管弦楽団（以下、仙台フィル）の専務理事としてコンサートの現場にいた。事務局、楽団員の無事を確認したものの、仙台フィルが演奏できる環境は失われてしまった。地域で育てられた楽団として何かできることはないか。被災者でもある自分たちが今こそ「音楽」を必要としているのではないか。その気持ちに向き合い、仙台フィルと市民有志で「音楽の力による復興センター・東北」を立ち上げ、震災２週間後にコンサートを開催した。被災地を支援する音楽の力を信じて、今もなお活動を続ける大澤さんに話を聞く。