さつま町の旧宮之城駅、現在の宮之城鉄道記念館の近くに、社会福祉協議会が運営する宮之城ひまわり館がある。そこにある１台の古いグランドピアノは、太平洋戦争開戦からちょうど１年後の昭和１７年（１９４７）１２月に地区の婦人会から寄贈されたものだ。楽器は贅沢品とみなされる厳しい時期に、母親たちが子どもたちに夢を与えようと、浄財を集めて贈った。子どもたちを喜ばせたピアノだったが、やがて戦争が終わり、平和な時代が訪れると、ピアノは忘れ去られた。しかし、寄贈のいきさつを知った人々が、保存に取り組み始めた。現在も現役で活躍するこのピアノを通して、地域の文化活動に取り組む人々の姿を追う。

西田敏行と竹下景子による二人芝居の文芸ドラマシリーズ。放送開始１０周年を迎えた記念すべき年度最初のシリーズは、かつて森繁・加藤コンビでもドラマ化された藤沢周平作品を、短編のリメイクと新作で届けた。第５回は、「裏切り」（新作）を放送。◆妻のおつやが帰宅しないことを心配した幸吉は、勤め先の水茶屋に迎えに行くも、休みを取っているという。翌日岡っ引きの千蔵から、おつやが殺されたと聞かされる。同じ水茶屋の娘から、妻が一緒に歩いていた男の情報を得た幸吉は、やがてある男が犯人ではないかと思い当たる。

「京のわらじ医者」として知られ、２０１８年６月２日に９４歳で逝去した早川一光医師の追悼特別番組。早川一光さんは京都・西陣で地域医療に携わるかたわら、１９８７年１０月３日から２０１８年３月３１日まで毎週土曜日にＫＢＳ京都で「早川一光のばんざい人間」というラジオ番組のパーソナリティーを務めた（３０年６か月）。医師として「患者を診る立場」だった早川さんが一転、「患者の立場」に変わった葛藤をはじめ、老いや病との向き合い方、平和の大切さなど、ラジオで語っていた早川さんの言葉を集めた。「次は何が出てくるのかと期待させるようなラジオを作れ。自分の命は自分で守れ。自分たちの文化は自分たちで守れ」。これが番組への遺言であった。

ヒロインが時空を越えて任務をこなしながら様々な人に巡り合うドラマの第２作。主人公の橘唯（ユイ）は、真田未来（ミキ、前作の主人公）の会社の後輩。未来にタイムトリップできるミキの「パス」に触れた途端、ユイは２０６０年にタイムトリップした。そこは大震災後の地下施設、時空間管理局。ユイは、管理局特別調査課の飛騨麻利男（まりおじちゃん）から、過去へ行って映像を撮ってくる任務を言い渡された。状況を把握できないまま、過去と未来を行き来するユイだったが、滞在先の家主である麻利男の姪、ユキと姉妹のような関係となり、日々の生活を楽しんでいた。ある日、麻利男から突然、ユイだけが２０１７年に戻るよう急かされる。ユイは知らされていないが、橘唯は、２０１７年から２０６０年に来ているタイムトラベラー、秦哲也と、真田未来の子供であることが発覚したのだった。（２０１７年１１月～２０１８年３月放送、全１８回）◆最終回。ユイは局長（おじいちゃん）に滞在を延ばしてほしいと訴える。だがユイがこの時代にいてはならない事情があった。一方、秦はユイを救おうと決意する。そして、ユイが親しい人々に別れを告げ、旅立つ時が来た。

ＦＭヨコハマのリスナーで、鉄道が大好きなリュウゴ君（１５歳）は、鉄道の中でも特に箱根登山鉄道が好きで、列車から見える車窓から景色や車両に魅了され、その素晴らしさを１人でも多くの人に知ってもらいたいと思う日々。一方、神奈川の地元放送局として「創業１３０周年を迎えた箱根登山鉄道を応援する！」という命を受けた鉄道ＤＪ山川智也が、リュウゴ君に協力をお願いするところから物語が始まる。リュウゴ君が「車内アナウンスをする」という夢を胸に、２人は８０パーミルという日本屈指の急こう配を擁する箱根登山電車の徹底取材をスタート。鉄道で働く人や、沿線で暮らす人など、様々な人にインタビューしていく。高校入学直前の春休み、果たしてリュウゴ君の夢は叶うのか。そして最後に訪れた驚きの結末とは…。

サンフランシスコ発成田行きの機中。オレゴン州からの帰りだった遥人（瀬戸康史）は、キャビンアテンダントの知美（貫地谷しほり）と機内で話す。その時、二人は窓から未確認飛行物体を見る。何か気球のようなものが見えたのだ。驚く知美に遥人は「風船爆弾？まさか」と呟いた。７３年前、日本は終戦直前に風船爆弾を米国本土に飛ばしたのだ。遠い青春の記憶。遥人の祖父（辻萬長）と知美の祖母（山本陽子）の秘められた過去が蘇る。２０１８年の平和な日本の夏を生きる若者達への賛歌であるとともに、１９４５年、悲惨な戦争の中で精一杯の青春を生きた若者たちへの鎮魂歌でもある。

奈緒（内山理名）は夫から裏切られ、息子・寛輔（川岸涼介）と共に故郷である京都・丹後に帰ってきた。職もない奈緒は、昔取得した看護師免許を頼りに、そこで出会った青年医師・三上（忍成修吾）とともに過疎地の医療と向き合うこととなる。「死」を人生最後のゴールと捉え、逝く人にとっても、残される人にとっても、満足できる終わり方を迎えさせてあげたい。そうした思いはあっても、過疎地では自宅での「終活」を支える往診は困難だ。だが、入院させようにも経済的に負担できない高齢者も多い。その困難を乗り越え、老人たちの死を看取る中で、奈緒は３０年前に亡くなった母の秘密を知ることとなる。後編。

ニュース、天気情報、音楽、話題などを伝える平日朝の情報番組（１９９６年１０月放送開始）。◆今回は、卒業式をゲレンデの上で迎えた小学生スノーボーダー、秋田と島根を美味しい「いぶりがっこ」でつないだ二人のユキコさん、きりたんぽの長さ世界一に挑戦する学生たち、などの話題を、関係者を電話でつなぎながら伝える。ポエムのコーナーは、番組に届いた、父から高校を卒業する娘への手紙。記念日に大切な人へ花を贈る「記念日に花束を」のコーナーでは、妹から県外で暮らす姉に送った誕生日のお花について、受け取った姉の声を紹介する。